TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2016年・日本)
公開日:2016年6月25日
配給:東宝、アスミック・エース
時間:125分
監督:宮藤官九郎
脚本:宮藤官九郎
出演:長瀬智也(キラーK)
神木隆之介(大助)
尾野真千子(なおみ)
森川葵(ひろ美)
桐谷健太(COZY)
清野菜名(邪子)
古舘寛治(松浦)
皆川猿時(じゅんこ)
シシド・カフカ(修羅)
清(鬼姫)
古田新太(えんま校長)
宮沢りえ(手塚ひろ美)
坂井真紀(よしえ)
荒川良々(仏)
瑛蓮(神)
みうらじゅん(MOJA・MJ)
Char(鬼ギタリスト)
野村義男(ジゴロック挑戦者)
ゴンゾー(ジゴロック挑戦者)
マーティ・フリードマン(じゅんこA)
ROLLY(じゅんこB)
福田哲丸(地獄の軽音楽部)
一ノ瀬雄太(地獄の軽音楽部)
藤原一真(地獄の軽音楽部)
柳田将司(地獄の軽音楽部)
木村充輝(歌うたいの小鬼)
関本大介(鬼警備員)
ジャスティス岩倉(緑鬼)
烏丸せつこ(牛頭)
田口トモロヲ(馬頭)
片桐仁(鬼野)
平井理央(アナウンサー)
中村獅童 ほか
プロデューサー:宇田充、長坂まき子、臼井央
撮影:相馬大輔
照明:佐藤浩太
美術(地獄)桑島十和子美術(現世)小泉博康
装飾:西尾共未
録音:藤本賢一
VFXスーパーバイザー:道木伸隆
カラーグレーダー:齋藤精二
音響効果:岡瀬晶彦
編集:宮島竜治
音楽:向井秀徳
主題歌作曲:KYONO
スクリプター:北濱優佳
スタイリスト:伊賀大介
衣装:荒木里江
ヘアメイクディレクション:山崎聡
ヘアメイク:百瀬広美、風間啓子
特殊メイク:中田彰輝
造形:中田彰輝
振付:八反田リコ
スタントコーディネイター:小池達朗
操演:島尻忠次
動物プロ:馬場光弘、内藤教夫
助監督:高橋正弥
製作担当:大田康一
鑑賞日:2016年7月19日
場所:TOHOシネマズ新宿 スクリーン6 H20
■ ストーリー
宮藤官九郎が監督・脚本の学園地獄コメディー映画。
ある高校が修学旅行のバス移動の途中に、転落事故に遭い、乗車していた高校生の大助(神木隆之介)含めほとんどの者が命を落としてしまう。
自分だけが地獄へ落ちてしまった大助は、その理不尽さに納得いかないまま、地獄農業高校にて地獄についての教育を受けることになる。そこではクラブ活動が義務化されていて、大助は軽音学部に入った。
顧問のキラーK(長瀬智也)の厳しい指導の下、地獄専属ロックバンド・地獄図(ヘルズ)のCOZY(桐谷健太)と邪子(清野菜名)と共に、自らを鍛え上げていく。そうすることで再び現世へと生まれ変わることが可能となり、大助の最大の目的、恋い焦がれていたひろ美(森川葵)に再び会うことを目指し、ひたすら努力を繰り返す。
努力の成果をえんま校長(古田新太)の前で披露するものの、許されるのは人間以外の動物や虫に生まれ変わることばかり…生まれ変わりには限りがあり、徐々にその限界も近づいてくる。限界値を超えると、鬼と化して、二度と地獄から出られなくなる。
追い込まれた大助は、ギターバトルやバンド対決というあらゆる困難を乗りこえて、ついに奇跡を起こす。それは、青春の至らぬ欲望というものを超越したもので、大助含め地獄の者だれもが予想もしていなかった結果を生む─。
▶ 映画館環境
TOHOシネマズ新宿 SCREEN6 座席数119 スクリーンサイズ4.6×11.0m
H20は最後列、スクリーン向かって右端の席。やはりこの劇場は最後列が狙い目だった。
平日でしかも上映4週目にもかかわらず、かなりの観客数で正直驚いた。20代が中心だったろうか。若者中心の客層だった。
▶ 作品レビュー
あくまで面白エンターテインメント映画。しかしそこに確固たる輪廻の思想があるわけで(それが宮藤官九郎の思想・信仰かどうかは分からないけれど、みうらじゅんが出演している時点で、なんとなくバックグランドを示すようなやり口が狡猾─)、一見おバカなお話しも実は知性溢れる物語のような気がしてくるわけで、決して優れた絵や明確な主義主張があるわけではないけれども、何だか凄くいい映画に思えてしまった。
もっとも、この映画を心底楽しむためには、メタルやギターに興味がありそれに精通しているということが条件であるような気がする。とはいえ、それらを取るに足らないものと見做していたとしても、雰囲気で楽しめるとは思う。が、それだけではもったいない。
かく言う自分は、メタルファンでギター小僧であったわけで、同じような過去を持つ数多くのオッサンどもを見事に魅了する。デスメタル調から始まり、今は亡きランディー・ローズ、ゲーリー・ムーア、カート・コバーン、ジミヘンにSVR、ロバート・ジョンソン等々あらゆるプレイと“腕”が登場、その上さらにCharとよっちゃんのギターバトルやマーティン・フリードマンとローリーの登場等々、さすがはギターマガジンを愛読書として挙げる宮藤官九郎だと関心・感化されつつ、もやはこみ上げてくる笑いを抑えることができない自分がいた。
そもそもこの映画のタイトルこそがメタルの影響丸出しで、相当前に見たであろうトレーラーだけでこの映画にはまってしまったと言っても過言ではない。Too young to〜 とくると自分のメタル魂が 〜Fall in love と呼応し、頭の中でモトリー・クルーでいっぱいになる。そんなのは自分だけ…いや、結構いるはず。でも、モトリーはLAメタルだから地獄とは無縁…むしろ、ストライパーとかクリスチャンメタル的な要素を入れ込んだらもっと面白かっただろうに…などと、勝手に夢想する有様。事情により公開が遅れたわけだが、その分、変な期待も膨らんでいったような気がする。まぁ、あんなにメタルキッズ寄りとは想像もつかなかったわけだが…。
申し訳ないが、映画に芸術性とかメッセージ性のようなものを強く求める人にとっては、最悪の映画かもしれない。青春を面白おかしく描いただけのエンターテインメントでしかないわけだから─。
確かに、生と死とか輪廻とか人生、あるいは青春といった事柄がテーマとなっているように思ったりするが、私見でこの映画を表現するならば、メタル魂、これ以外にない。これに賛同する輩は星三つ、賛同できないけれども映画を楽しめたという輩は星二つか一つ、残りの輩は多分クソ映画とけなすだろう。
適当な絵、適当な設定、適当な展開、適当な演出、適当な音楽…あらゆるところに緩さを感じてしまうわけで、それをどう捉えるかは、クドカンや出演陣に好感を持っていないとすればあとはメタル魂にかかってくる。そのどれも持っていなくとも、最終盤のシーンなどには思わず感情移入してしまいそうになるけれども、最後のカットもまぁ適当なわけで、その適当さかげんを受け入れないと予想する者はこの映画は見ない方がいいだろう。2時間無駄な時間を費やすだけだ。
メタル魂を持っている(または持っていた)オッサンは、ぜひとも見るべき映画だ。笑うもけなすもどちらでも、有意義なツッコミとなることは間違いないだろう。
死というものをベースにした映画であるが、決して死をテーマにしているわけではなく、むしろそれをも笑い飛ばしたコメディーにすぎない。個人的には、あくまでメタル魂の映画だと主張するが─。だから、興味がないままにふらっと見て酷評するような醜くて無意味なことはやめてほしい。映画への愛とか、アートといった重々しいものは捨て去って、メタル魂だけでもって臨んだのであれば、人生の中の2時間を謳歌できるかもしれない。
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