ズートピア

ズートピア(2016年・アメリカ)
原題:Zootopia
公開日:(米)2016年3月4日 (日)2016年4月23日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
時間:109分

監督:バイロン・ハワード
   リッチ・ムーア
共同監督:ジャレッド・ブッシュ
脚本:ジャレッド・ブッシュ
   フィル・ジョンストン
製作:クラーク・スペンサー

製作総指揮:ジョン・ラセター
製作会社:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
     ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
声:ジニファー・グッドウィン(ジュディ・ホップス)
ジェイソン・ベイトマン(ニック・ワイルド)
イドリス・エルバ(チーフ・ボゴ)
ネイト・トレンス(クロウハウザー)
J・K・シモンズ(ライオンハート市長)
ジェニー・スレイト(ベルウェザー副市長)
トミー・“タイニー”・リスター(フィニック)
レイモンド・パーシ(フラッシュ)
オクタビア・スペンサー(オッタートン夫人)
シャキーラ(ガゼル)
ボニー・ハント(ボニー・ホップス)
ドン・レイク(スチュー・ホップス)
モーリス・ラマルシュ(Mr.ビッグ)
トミー・チョン(ヤックス) ほか
編集:ファビアンヌ・ローリー
音楽:マイケル・ジアッキノ
主題歌:シャキーラ

鑑賞日:2016年4月23日
場所:TOHOシネマズ新宿 スクリーン7 H−21


■ ストーリー(日本語公式HPより)
動物たちの“楽園”ズートピアで、ウサギとして初の警察官になったジュディ。でも、ひとつだけ問題が…。警察官になるのは通常、クマやカバのように大きくてタフな動物たちで、小さく可愛らしすぎる彼女は半人前扱いなのだ。だが、ついにジュディも捜査に参加するチャンスが!ただし、与えられた時間はたった48時間。失敗したらクビで、彼女の夢も消えてしまう…。頼みの綱は、事件の手がかりを握るサギ師のキツネ、ニックだけ。最も相棒にふさわしくない二人は、互いにダマしダマされながら、ある行方不明事件の捜査を開始。だが、その事件の背後にはズートピアを狙う陰謀が隠されていた…。

▶ 映画館環境
TOHOシネマズ新宿スクリーン7は座席数409、スクリーンサイズ7.3×17.7mと大きめの劇場。全体的に座席のスペースが広めなため、どこに座ってもゆったりと観賞できる。H列は劇場の中央ややスクリーンよりだが、足場が広いため、この列であればどこでも満足。H-21はスクリーン向かってやや右寄り。
公開初日の土曜日とあってほぼ満員。客層も老若男女、バラエティーに富んでいた。自分の左隣は若い女性、右隣は中年男性。日本語字幕ということもあって子供は少なめ。


▶ 作品レビュー
同じ劇場で「アーロと少年」を見たことをすっかり忘れていた。リアルなCGを駆使したディズニー映画という共通点(※制作はピクサーとディズニースタジオという違いはあるけれど─)の他は、全く別物。片方は退屈なもので、片方は最高傑作。そう今回見たこの作品は、もしかしたらディズニー史上最高の映画といえるかもしれない。記憶に新しい「アナと雪の女王」を超えることはもちろんのこと、あの「白雪姫」「ピノキオ」「バンビ」すら超えてしまっているのではと思ってしまった。
この映画が宣伝され始めて頃、個人的にはそれほど注目していなかった。ストーリーにもキャラクターにも、なぜか魅力を感じず、完全にスルーするつもりでいた。しかし、全米公開され、あの「アナ雪」を超える評価とヒットを飛ばしているという事実に、無視することができなくなり、とりあえず見ておくか─ぐらいの気持ちで観賞に至る。
何より驚かされたのが、CGのクオリティー。背景がリアル過ぎると思った「アーロと少年」のさらに上をいくそのCG─、ただリアルだけではなく、ひとつの世界を構築しきっているそのクオリティーに、3Dアニメーションの頂点を見た。まるでニック・パークが創り上げるクレーアニメの世界を見ているかのようであり、むしろそれをも凌駕してしまっているような印象。ハイクオリティーのその背景に加え、キャラクターの質感や動きなどもパーフェクトで、故にクレーアニメをも超えてしまっているような印象を受けてしまったわけだ。
ストーリーや展開は非常にシンプル。結末など容易に読めてしまうけれども、最後まで飽きずに楽しめた。なぜそれほど楽しめたのかというと、動物の表現が予想以上にシュールであり、単に万人受けするような優しい表現に終始していないところに共感した。騙し騙され、小バカにしたり、差別的であったり─、よい子のための絵本のような話かと思っていたのが全く違っていて、かなり大人を意識した表現が多かったように思う。過去の名画のパロディー的な表現なども盛り込みながら、随所に笑わせてくれた。
子供はシンプルなストーリーを楽しめるし、大人は細かくちりばめられた小ネタを掘り起こすことで楽しめる。
個人的には、ナマケモノの表現と、Mr.ビッグと呼ばれるマフィアのボスの表現なんかがツボだった。自分に限らず、多くの人が笑ったはずだとは思うが。
安心できるストーリーの中で、いろいろ楽しみを発見できることって、なにげにディズニー映画の醍醐味だと思ったりする。特徴的なキャラクターの一挙手一投足に泣き笑いする、あるいは構築された想像の世界を十二分に堪能する、それを大前提に物語が作られている。ひとつのストーリーは、ほんの一握りのことであって、創られた世界では様々な出来事が渦巻いている─そういう思いでの作品製作なのだろう。画面の向こう側に一つのある世界を感じることができれば、もはや物語などはどうでもよくなってしまう。その世界の中でまさに巻き起こりそうな出来事が展開されれば、それで満足してしまう。そして、出てくるキャラクター一つ一つに愛着を持ってしまえば、もはや製作側の思うつぼ。見ている我々は、気持ち良く仕掛けられた罠にはまっていく。
最初は別に可愛いとも思わなかったジュディにいつの間にかはまっていて、さばさばしているニックにも不思議と愛着を持ってしまう。そしてついには、とってつけた役のようなシャキーラ扮するガゼルにもはまってしまい、♪トライ・エヴリィシィーングと歌いたくなる気持ちも理解できてしまう。
こうしてまた完成された小宇宙は、またあの世界の中へと組み込まれていくのだろう。果てしなく大きくなっていくディズニーワールド。これもまた、ウォルト・ディズニーの夢の続きといえるのだろうか─

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