少女

少女(2016年・日本)
公開日:2016年10月8日
配給:東宝
時間:119分

監督:三島有紀子
原作:湊かなえ
脚本:松井香奈、三島有紀子
出演:本田翼(桜井由紀)
   山本美月(草野敦子)
   真剣佑(牧野光)
   佐藤玲(滝沢紫織)
   児嶋一哉(小倉一樹)
   菅原大吉
   川上麻衣子
   銀粉蝶
   白川和子
   稲垣吾郎(高雄孝夫)ほか
企画プロデューサー:森川真行、柳迫成彦
プロデューサー:石塚清和、齋藤寛朗、清家優輝
撮影:月永雄太
照明:斉藤徹
美術:黒瀧きみえ
装飾:石渡由美
スタイリスト:KO3UKE
ヘアメイク:倉田明美、永嶋麻子

VFX:大萩真司
編集:加藤ひとみ
音楽:平本正宏
主題歌:GLIM SPANKY
スクリプター:吉田久美子
助監督:佐伯竜一
制作担当:坪内一

鑑賞日:2016年10月11日
場所:TOHOシネマズ流山おおたかの森 スクリーン10 J4


■ Introduction(公式HPより)
17歳。子供でもない大人でもない、危うい年齢の少女たちを主人公にした映画はこれまでにも数多く作られてきた。アンジェリーナ・ジョリーにオスカーをもたらした『17歳のカルテ』やフランソワ・オゾン監督の『17歳』、キャリー・マリガンを一躍有名にした『17歳の肖像』など、17歳というキーワードは映画と縁が深い。そして2016年。湊かなえ(原作)×三島有紀子(監督)×本田翼×山本美月=4人の“女性たち”が仕掛ける、“死”にまつわる禁断の世界を描いた長編ミステリー『少女』もまた17歳の少女たちの物語だ。
ヨル(夜)の綱渡り──。『少女』のヒロインたちは暗闇のなかで綱渡りをしているような、そんな危うい毎日を生きている。彼女たちはどんな闇を抱えて生きているのか。17歳の少女のなかに潜む“闇”を艶美に繊細に力強く映し出していく、期待の映画化だ。
原作は、映画『告白』『白ゆき姫殺人事件』、連続ドラマ「贖罪」「夜行観覧車」「Nのために」など映像科作品のすべてが大ヒットを記録している、湊かなえの同名小説「少女」。第6回本屋大賞を受賞した「告白」の後に発表され、現在文庫100万部を超えるベストセラーの映画化だ。心に闇を抱える由紀と敦子。2人の女子高校生が「死体って見たことある?」という転校生の何げないひと言をきっかけに、死とはなんなのか? 死を知りたいという願望に囚われる。“本当の死”を理解できたら闇から解放されるのではないか──少女たちはそれぞれの方法で“死の瞬間”を見ようとする。それは何とも刺激的で衝撃的な物語の始まりだった──。
主人公の由紀と、その親友・敦子を演じるのは、本田翼と山本美月。十代の恋の切なさや楽しさを描いた青春映画『アオハライド』の主演など、数多くの映画やドラマをへて着実に女優としてステップアップする本田翼。一方、格差社会の縮図としての高校生活をリアルに描いた『桐島、部活辞めるってよ』からホラー映画『貞子vs伽耶子』まで、幅広いジャンルで活躍する山本美月。明るい、爽やか、元気という形容詞の似合う人気実力派の2人が映画『少女』ではこれまでにない一面を披露している。また、真剣佑、佐藤玲、児嶋一哉、稲垣吾郎が脇を固める。
2人の若き女優の新しい顔を引き出したのは、三島有紀子監督。長編デビュー作『しあわせのパン』、モントリオール世界映画祭特別招待作品『ぶどうのなみだ』、仕立ての服を愛する人々を丁寧に描いた人気コミックの映画化『繕い裁つ人』など、女性の心を惹きつけてやまない三島監督が「17歳という自分勝手で危うい年代を生きる少女たちを描いてみたかった」と、今回は純粋さと残酷さ、儚さと強さ、青春とミステリーを内包する湊かなえワールドに挑み、新しい題材、新しい表現で、極上のエンターテイメントを生み出した。
自分自身に向ける「死にたい」という想い、他者に向ける「死ねばいいのに」という想い。死というものが何なのか分からないからこそ、少女たちは死に興味を持つ。女子校のなかに潜む闇、そこで生きる2人の少女が抱える闇、物語が進むにつれて点と点がつながっていく。そして“死”というキーワードによって導き出される結末には一体、何があるのか? ヨルの綱渡りの先にあるものとは……。

■ Story(公式HPより)
「どうせなら死ぬ瞬間を見てみたい。そう思わない?」
「死って、モノじゃなくて現象だと思う。」
<由紀の闇>
読書好きで休み時間はひとり静かに本を読み、授業中は小説を書いている由紀。クラスの女子が親友の敦子を集団でいじめていても助けることはできずにいた……。ある日、いじめがエスカレートして倒れた敦子は、保健室のベッドのなかで「死にたい」と訴えかける。そんな“闇”を抱える彼女に由紀は「闇の中を一人ぼっちで綱渡りしている、そんな気持ちなのかもしれないけど、そんなことないから」と優しく手を差し伸べる。そしてその夜、書きかけの小説を完成させる。しかし、その翌日に原稿が何者かに盗まれてしまったことで、由紀はある危険な行動に出てしまう──。

「死ぬ瞬間ていうか、生きている最後の顔をみないと、
 本当の意味での死を理解するなんて無理だと思うけど。」
「私の気持ち、由紀には分かんないよ。」
「助けて、由紀。死にたい。」
「努力を重ねて、ここまで生きてきた。
 迫害されるようになってからも、努力は怠らなかった。」
<敦子の闇>
幼い頃から剣道を習い将来有望と期待されていた敦子。ところが、高校の団体戦でミスをしたことを機にいじめの対象に。その時ケガした足はすでに完治しているものの学校では足を引きずったふりを続けている。敦子にとって唯一の友だちは由紀だと思っていたが、ある時から2人の関係がギクシャクしているように感じ、距離を置くようになる。そんあとき、紫織という生徒が転校してくる。彼女に誘われ、敦子はあることを断り切れずに共犯者になり──。

▶ 映画館環境
TOHOシネマズ流山おおたかの森スクリーン10
スクリーンサイズ3.5×8.4m、座席数106、やや小さな劇場。
J4は最後列、スクリーン向かって左寄り、上り階段正面の席。見下げ。
最後列で見下げになるけれど、画面の大きさなどに不満はなし。
平日ではあったが、若者中止にそこそこの入り。

▶ 作品レビュー
教会内のシーンから映画が始まる。光が少なく薄暗い場所、そこで格式が高い制服をまとった少女ら複数人が整列しながら“遺書”を機械的に順を追って朗読していく。非常に重々しい印象であり、まさに闇の幕開けを思わせる。
映画は基本的には小説に沿った展開であり、逸脱した部分は少ない。多少付け加えられた要素もあったものの、それは演出上敢えてそうしたものだと納得できるものではあった。全体的に小説よりも重々しい印象で、演出も過剰と思ってしまうところもあった。少女というタイトルでありながら、そのテーマはどちらかというと“死”というものへ傾倒していた印象を持つ。
小説を読む限りではテーマは“少女”。現代社会において女子高校生がもがきながら成長していく姿というものが強く印象に残る。それぞれが抱える様々な問題を、2人の少女の目線で、重くなりがちな事柄を軽やかに面白おかしく語っていた印象がある。
映画でもその辺のところを尊重しようという意思は感じられ、例えば、小説内ではなかったSNSなどを盛り込みながら、ポップな雰囲気を作っていたけれど、それ以上に何だか少女の残酷さばかりが目についてしまって、成長とか友情とかということの前に、巻き起こる事件に重きを置かれている印象。だからテーマが生と死というものに偏って見えてしまったように思う。だからダメだというのではないけれど、少女という楽しいテーマが過剰に重々しくされているところが少しだけ残念に思えただけ。
読みやすくて軽やかな小説だという印象だっただけに(内容は決して軽々しいものではないけれど──)、映画での重厚さに何か辟易としたものを感じてしまった。
本田翼に山本美月、児嶋一哉に稲垣吾郎、合っているようでもあり意外な気がするこの絶妙なキャスティングも嫌いじゃないし、それぞれ演技もよかったと思う。ただ、やっぱ何だか暗くて重い印象、負の内容を多く扱っているだけにそうなってしまうのは仕方ないわけで、むしろ小説のようにそれらをさらりと語ってしまうことが難しいことであり、それをそのまま映像化すること自体が無理のあることなのかもしれない。
レビューなど様々な意見を見ると、やはり小説の方が──というものが多くて、自分もその意見に賛同してしまうけれど、決して悪い映画ではないと思う。

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