シェッド・スキン・パパ

シェッド・スキン・パパ(2016年/中国=香港)
原題:Shed Skin Papa [ 脫皮爸爸 ]
時間:100分

監督/脚本:ロイ・シートウ
原作/脚本:佃 典彥
出演:フランシス・ン(ティエン・ヤホン)
   ルイス・クー(ティエン・リッハン)
   ジェシー・リー(ツァイ・ツーミアオ)
   ジャッキー・チョイ(チュー・リーホア)
プロデューサー:ジュリア・チュー
共同プロデューサー:チョー・キンマン
共同プロデューサー:エスター・クー
撮影監督:チャウ・ゲイション
美術監督:アンドルー・ウォン
コスチューム・デザイナー:アイビー・チャン
作曲:レオン・コー
音響:ドゥ・ドゥチー
編集:ウォン・ホイ

鑑賞日:2016年10月28日
場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン9 I-18


■ あらすじ(第29回東京国際映画祭公式プログラムより)
くたびれた映画監督のティエン・リッハンは災難続き。妻には離婚を迫られ、自分の映画会社は倒産、そして母親も亡くなってしまう。さらに悪いことに、80歳を過ぎた認知症の父ヤッホンの面倒も見なければならなくなった。やがて、父が毎日、脱皮を始める! 1回の脱皮ごとに10歳は若返って見える。リッハンは、自分と同じくらいの年齢まで若返った父と、かつて週末のたびに通っていたサッカー場で心を通わせ、家族の生活のため尽くしたかつての父の姿を思い出す。

■ 作品解説(第29回東京国際映画祭公式プログラムより)
舞台演出家として輝かしいキャリアを築いているシートウ監督が、自らの演劇賞受賞作を映画作品として初監督した。原作は佃典彦氏による「ぬけがら」であるが、脱皮をめぐるシュールさと楽しさは活かしつつ、父と息子、そして夫婦の愛の物語を通じ、香港の歴史をも概観する内容に見事に翻案している。主演は、目下3年連続で最も稼ぐ香港スターの1位に輝いているルイス・クー。2015年は実に14本の映画に出演しており、今回は挫折した映画監督を演じ、板についたダメ男っぷりを披露している。ダブル主演には、演技派の雄、フランシス・ン。コミカルなドタバタ・アクションから、シリアスな語りまで、本作の中で文字通り七変化の活躍を見せる。

▶ 映画館環境
第29回東京国際映画祭コンペティション部門ワールド・プレミア上映
TOHOシネマズ六本木ヒルズ、スクリーン9、スクリーンサイズ5.3×12.7m、座席数258
I列は前方から9列目、劇場やや後方、プレミアシートの真後ろ、I-18席はスクリーン向かってやや右寄り・ほぼ真ん中の席。非常に見やすいポジションであった。
会場はほぼ満席。

▶ 作品レビュー
人が脱皮して若返るというシュールな設定と、ハートフルなコメディーが融合、あれこれ考えずに素直に楽しめる作品だろう。
展開される舞台や時代背景が突然がらりと変わったり、夢なのか現実なのか判別できない状況が展開されたり、複雑な構成だったけれども、見ている側にしてみれば全てはノスタルジックなのだという気持ちで終始一貫した視点で内容を楽に把握できるはず。制作者側がこれらをまとめ上げることに苦労したように思うのだが、非常に盛りだくさんの要素を盛り込んだ割には単純だと思ってしまった、申し訳ないけど…。
ヤホン役のフランシス・ンは、1人で実質6役を演じたわけで、しかもその6役が総登場するという場面もあるので似すぎても違いすぎてもダメだという難しい演じ分けを強いらられたはずだ。あらゆる時代の父親が登場する場面こそが重要であり、物語のハイライトというべきところだと思うのだが、個人的にはあまり感動とか面白さを感じることができなかった。同じ人物が同じ所に現れるという困難な状況下で、他の場面よりも人物同士の絡みが少ない、もしくは不自然なところばかりが目につき、最もエキサイトしなければならない場面でそれができなかったような気がしてしまう。
結局、最も面白かったところといえば脱皮するところ。それが話の主軸であるし、そこが良ければそれでよしという気もするのだが、脱皮という要素での出落ち観を非常に感じてしまったわけで、それがもたらす展開に多少の不満を持ってしまった。
美しい絵が展開されるし、色彩も豊かで、陰影なども巧みに駆使された映像そのものには魅了されたけれども、コメディーとしてはあまり笑えず、親子というテーマにもあまり共感できなかったというの正直なところ。見たところ紛れもないコメディーであり、エンターテインメントであるわけで、ストレートに笑ったり泣いたりできればそれで満足したところなのだが、残念ながら笑えなかった。単純に、それらのツボが自分とは合っていなかっただけなのかもしれない。
あんまり良いことを記すことができなかったけれど、いい映画だと思ったことは間違いない。

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