ダンスの時間(2015年・日本)
公開日:2016年9月17日
配給:野中真理子事務所
時間:88分
監督:野中真理子
出演:村田香織
プロデューサー:野中真理子
撮影監督:夏海光造
撮影:馬場宏子、川口慎一郎、新垣直哉
ドローン撮影:森田雄司
録音:永峯康弘
整音:井上久美子
編集:野中真理子
音響:米山靖
音楽:大友良英、江藤直子
音楽録音:大津真
音楽制作:佐々木次彦
語り:松本来夢
メインタイトル:赤松陽構造
鑑賞日:2016年10月3日
場所:イメージフォーラム シアター2
■ ストーリー
ダンサー・村田香織が水族館のショーの演出や水族館スタッフに客とのコミュニケーションを円滑にするためにダンスを教えている。その状況と彼女の日常に密着──ダンスと日常、それに海中を漂う生物の映像が絡み合いながら紡ぎ出されるダンスダンスドキュメンタリー。
▶ 映画館環境
イメージフォーラムのシアター2はスクリーンサイズ6100mm、座席数100、地下にある小劇場。スクリーン位置が高く、座席はフラットに配置されているため、基本的に見上げになる。前方の席は避けた方がいい。基本的に全席自由席なので当日自らの判断で座席を選べばいいことなのだが。場内は非常に空いていた。
▶ 作品レビュー
音楽:大友良英というところに惹かれて見にいった作品。ギターを基調としたシンプルなサウンドに大いに魅せられ、サウンドトラックなどを欲してしまったところではあるけれども、単館上映のドキュメンタリー映画(しかも音楽メインではないし─)であるわけだからこの映画でしか聴くことができない音楽だったのかなあとますます愛おしく思ったりしている。
水生生物の映像と水族館スタッフの解説シーンには美しさと驚きを覚えた。それら映像は、おそらくこの作品の主題であろうダンスというものにうまく絡んでいくはずなんだろうけれど、映像が交錯していても、そこにうまさや納得するところがそれほどなかったように思う。ダンスと水生生物の絡み合いは何となく理解できたけれど、水族館のスタッフがダンスを学んでいる意味などはよく理解できなかった。
スタッフがダンスを学んでいる理由としては、お客さんとのコミュニケーションを円滑にするという意図からだという説明がなされていたけれど、ダンスが通常業務に与える影響というものは映像を見る限りではよく分からないところがある。というのも、そこにダンスが存在することに違和感を覚えてしまう映像の連続で、あらゆる観点からダンスへの拒絶というものしか感じなかったからだ。
全体的に、ダンスを捉えた映像に美しさを感じることができず、華麗なはずの身体の動きが決して美しく見えないように思えた。アクティブな映像を瞬時に捉えることの難しさもあるとは思うけれど、ある種、これは意図的な映像なのかもしれないと遅まきながら思っている。
作品の中で、強く心を動かされた場面はダンサーの村田香織さんが母親の介護をしている場面で、体の自由が利かない母親が負の言葉を並び連ねるところには言い知れない悲しさに襲われる。そこにダンスが介在する余地など全くなく、ただただ悲しい。
ダンサーはダンスをあらゆるところに溶け込ませようと必死にもがく、例えそれがキレイに馴染むことがなくても諦めることなく常に前に進む、もしかしたらダンスなど必要とされない場面に出くわすかもしれない、それでもダンスダンス、ダンスの時間は永遠につづいていく。
作品として、決してキレイにまとめ上げられているわけでなく、正直単純に面白いものとはいいがたい。しかし、カメラで捉え、一人のダンサーから感じられた事柄が、見事に作品の中にまとめられていると思うし、偉そうに言ってしまうと、見た目以上に優れた作品なのかもしれない。しかしながら、なかなかすんなりとは受け入れられるような作品ではないだろう。
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