ドクター・ストレンジ

ドクター・ストレンジ(2016年・アメリカ)
原題:Doctor Strange
公開日:(香港)2016年10月13日(プレミア) (日)2017年1月27日
制作:Walt Disney Studios Motion Pictures
時間:115分 G

監督:スコット・デリクソン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ(ドクター・ストレンジ)
   キウェテル・イジョフォー(モルド)
   レイチェル・マクアダムス(クリスティーン・パーマー)
   ベネディクト・ウォン(ウォン)
   マイケル・スタールバーグ(ニコデマス・ウエスト)
   ベンジャミン・ブラット(ジョナサン・パンクボーン)
   スコット・アドキンス(ストロング・ゼロッツ)
   マッツ・ミケルセン(カエシリウス)
   ティルダ・スウィントン(エンシェント・ワン)
   クリス・ヘムズワース(ソー)
原案:ジョン・スパイツ
   スコット・デリクソン
   C・ロバート・カーギル
脚本:スコット・デリクソン
   C・ロバート・カーギル
撮影:ベン・デイビス
美術:チャールズ・ウッド
衣装:アレクサンドラ・バーン
編集:ワイアット・スミス、サブリナ・プリスコ

音楽:マイケル・ジアッキノ
音楽監修:デイブ・ジョーダン
視覚効果監修:ステファン・セレッティ

鑑賞日:2016年2月1日
場所:TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 IMAX3D F12


■ ストーリー(日本語公式HPより)
上から目線の天才外科医ドクター・ストレンジ。突然の交通事故により、神の手を失った彼を甦らせたのは─魔術。指導者エンシェント・ワンのもと、過酷な修行をかさね人智を超えた力を手にしたストレンジだったが、世界を破滅へと導く闇の魔術の存在を知ったとき、彼は壮絶な魔術の戦いに巻きこまれてゆく。しかし、“人を決して傷つけない”医者としての信念が、敵であってもその命を奪うことをためらわせる。彼は、いかにして闇の魔術に立ち向かい、人々の命を救うのか?ドクター・ストレンジにしかできない、常識も次元も超えた戦いが始まる。

▶ 映画館環境
TOHOシネマズ新宿スクリーン10 IMAXデジタルシアター
スクリーンサイズ不明、極めて大
個人的に現在最も気に入っている劇場
座席数313、F列の中心付近がベストポジション、端の方でも問題なし
F12は中心からスクリーン向かってやや左寄り
平日の朝一、でも混み混み

▶ 作品レビュー
大画面の3Dで見たほうが楽しさは増すはず。完璧なまでのCGを駆使したビジュアルには予想以上に感動した。
物語自体も面白いと思った。個人的には、師弟関係の修行もの、微妙なジョークなどつぼだった。
これほどまでに視覚的な喜びを与えられると、あらゆる分野のへたな創作物などまったく楽しめなくなってしまうのではと危惧するほど。
超絶能力には暗黒面があるというありがちな設定で、根本的な真新しさは少ないかもしれないけれど、時間と空間をこれほどまでに自在に、しかも完璧に創作されてしまうと、感服せざるを得ない。
エンドのCGも美しかったし、演技演出とか設定やストーリーということ以前にまず、時空を自在に彩ったCGにとくかく魅せられてしまった。
映像そのものは「インセプション」に似ているとの意見が多いけれど、「インセプション」を見ていない自分としては、かなり衝撃的な映像体験だったように思う。

 

虐殺器官

虐殺器官(2017年・日本)
公開日:2017年2月3日
配給:東宝映画事業部
時間:115分
R15+

監督:村瀬修功
原作:伊藤計劃
脚本:村瀬修功
キャラクター原案:redjuice
デザインワークス:荒牧伸志
         山根公利
         臼井伸二
         神宮司訓之
         山田正樹
CV:中村悠一(クラヴィス・シェパード)
   三上哲(ウィリアムズ)
   梶裕貴(アレックス)
   石川界人(リーランド)
   大塚明夫(ロックウェル大佐)
   小林沙苗(ルツィア・シュクロウポヴァ)
   櫻井孝宏(ジョン・ポール) ほか
美術監督:田村せいき
色彩設計:茂木孝浩
撮影監督:山田和弘、中西康祐

CGディレクター:増尾隆幸
アフレコ演出:長崎行男
編集:長坂智樹
音楽:池頼広
主題歌:EGOIST
アニメーション制作:ジェノスタジオ

鑑賞日:2017年1月31日
場所:試写会


■ ストーリー(公式HPより)
9.11以降、テロとの戦いを経験した先進諸国は、自由と引き換えに徹底的なセキュリティ管理体制に移行することを選択し、
その恐怖を一掃。一方で後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加。世界は大きく二分されつつあった。
クラヴィス・シェパード大尉率いるアメリカ情報軍特殊検索群i分遣隊は、暗殺を請け負う唯一の部隊。
戦闘に適した心理状態を維持するための医療措置として「感情適応調整」「痛覚マスキング」等を施し、更には暗殺対象の
心理チャートを読み込んで瞬時の対応を可能にする精鋭チームとして世界各地で紛争の首謀者暗殺ミッションに従事していた。
そんな中、浮かび上がる一人の名前。ジョン・ポール。
数々のミッションで暗殺対象リストに名前が掲載される謎のアメリカ人言語学者だ。
彼が訪れた国では必ず混沌の兆しが見られ、そして半年も待たずに内戦、大量虐殺が始まる。
そしてジョンは忽然と姿を消してしまう。彼が、世界各地で虐殺の種をばら撒いているのだとしたら…。
クラヴィスらは、ジョンが最後に目撃されたというプラハで潜入捜査を開始。
ジョンが接触したとされる元教え子ルツィアに近づき、彼の糸口を探ろうとする。
ルツィアからジョンの面影を聞くにつれ、次第にルツィアに惹かれていくクラヴィス。
母国アメリカを敵に回し、追跡を逃れ続けている“虐殺の王”ジョン・ポールの目的は一体何なのか。
対峙の瞬間、クラヴィスはジョンから「虐殺を引き起こす器官」の真実を聞かされることになる。


▶ 作品レビュー
原作を読んだ個人的な印象─血肉や臓器などの表現がグロテスクであり艶めかしい、武器・兵器の細かな描写やこだわり、アメリカ諜報機関がいかにも起こしそうな未来像─おおざっぱではあるけれど、この3つの事柄。
映画は原作を尊重しているという印象ではあったけれど、自分が勝手にイメージしていたものとは違う映像という感じがしてしまった。
具体的にどの辺にギャップを感じたかというと、血肉の表現とキャラクター─グロテスクな表現は原作を汲んではいたが、妖しい美しさのようなものはイマイチ感じることができなかった。そして何よりも、あわよくばマネキンにも見えてしまうキャラクターの人物表現に全くといっていいほどに魅力を感じなかった。それ故、ジョン・ポールとクラヴィスを惹きつけてしまう女性ルツィアの魅力などはほとんど感じとることはできず、終始冷めた目で物語を眺めているような感覚だった。
人間ドラマには違和感しか感じなかったけれど、メカニカルな面においては優れたものを感じた。原作を読んでもなかなか具体的にイメージできずにいた兵器や武器の描写を、細部にわたって見事に表現してくれていたという印象。
CGが映画作りに大きな武器になっている現在において、作り込めば作り込むほど無機質なモノの描写の精度が増し、有機的なモノの描写が拙いものになっていく傾向があるのかもしれない。

 

沈黙 サイレンス

沈黙 サイレンス(2016年・米)
原題:Silence
公開日:(バチカン)2016年11月29日 ※プレミア (日)2017年1月21日
配給:(米)Paramount Pictures (日)KADOKAWA
時間:162分
PG12

監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作
脚本:ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
出演:アンドリュー・ガーフィールドセバスチャン・ロドリゴ
   アダム・ドライバーフランシス・ガルペ
   浅野忠信通辞
   キアラン・ハインズヴァリニャーノ
   リーアム・ニーソンクリストバン・フェレイラ
   窪塚洋介キチジロー
   イッセー尾形井上筑後守
   塚本晋也モキチ
   小松菜奈モニカ
   加瀬亮ジュアン
   笈田ヨシイチゾウ
   遠藤かおる
   井川哲也
   PANTA
   松永拓野
   播田美保
   片桐はいり
   山田将之
   美知枝
   伊佐山ひろ子
   三島ゆたか
   竹嶋康成
   石坂友里
   佐藤玲
   累央
   洞口依子
   藤原季節
   江藤漢斉
   菅田俊
   寺井文孝
   大島葉子
   西岡秀記
   青木崇高
   SABU
   渡辺哲
   EXILE AKIRA
   田島俊弥
   北岡龍貴
   中村嘉葎雄
   高山善廣
   斎藤歩
   黒沢あすか ほか
製作:マーティン・スコセッシ
   エマ・ティリンガー・コスコフ
   ランドール・エメット
   バーバラ・デ・フィーナ
   ガストン・パブロビッチ
   アーウィン・ウィンクラー
製作総指揮:デイル・A・ブラウン
      マシュー・J・マレク
      マニュ・ガルギ
      ダン・カオ
      ニールス・ジュール
      チャド・A・ベルディ
      ジャンニ・ヌナリ
      レン・ブラバトニック
      アビブ・ギラディ
      ローレンス・ベンダー

      スチュアート・フォード
撮影:ロドリゴ・プリエト
美術:ダンテ・フェレッティ
衣装:ダンテ・フェレッティ
編集:セルマ・スクーンメイカー
音楽:キム・アレン・クルーゲ、キャスリン・クルーゲ
音楽監修:ランドール・ポスター、ジョン・シェーファー

エグゼクティブ音楽プロデューサー:ロビー・ロバートソン

鑑賞日:2016年1月25日
場所:TOHOシネマズ日本橋 スクリーン7 F23


■ 作品について
キリシタンの弾圧が行われている江戸時代初期に日本に渡ってきたポルトガル宣教師の運命を描いた遠藤周作の小説を、マーティン・スコセッシが映画化したもの。

▶ 映画館環境
TOHOシネマズ日本橋スクリーン7
座席数406、スクリーンサイズ18.7×7.9mTCX、大きな劇場
F23は6列目、スクリーン向かってやや右寄り、兎に角F列が良
たくさんの観客、客層も様々、宗教関係者も見受けられた


▶ 作品レビュー
まさに沈黙という要素を基調にした作品。映像も音も終始静寂に包まれていた。その沈黙と難しいテーマを堪能できれば、極上の作品と感じること間違いないが、それが長いだけにどんなに肯定的に捉えたとしても忍耐を要すること必至。
ほぼ日本が舞台で、日本語での演技も多数あるわけで、一見すると邦画にも見える。ただ個人的にはあくまで外国人が捉えた江戸時代という印象を受けた。それは良い悪いではなく、あくまで目の前の絵は洋画だなという印象。確かに水墨画や浮世絵といった要素を盛り込もうとしている意図は感じたが、絵力が強いせいか、どうしても印象派といった感をぬぐい去ることができなかった。それ故の良さは大きいのだけれど─。
特に信仰というものを持たない自分としては、客観的に信仰とは何ぞやという難しいテーマを切々と感じて、非常に興味深いところではあったけれど、キリスト教信者にとってこの作品はどう写るのだろう。江戸時代におけるキリスト教徒迫害に対しては全くの憤りしかないけれども、果たして怒りや嫌悪感だけの感情に支配されてお終いなのだろうか。
延々とあらゆる沈黙が展開され、しかも醜悪な拷問殺戮シーンが満載なので、この作品を受け入れることができないという人も少なくないと予想する。しかし、スコセッシの強い意志を感じる秀作であることは間違いない。耐えに耐え、耐え忍んで鑑賞すべし。


 

ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント(2016年・米)
原題:The Accountant
公開日:(米)2017年10月14日 (日)2017年1月21日
配給:ワーナー・ブラザース映画
時間:131分

監督:ギャビン・オコナー
脚本:ビル・ドゥビューク
出演:ベン・アフレック(クリスチャン・ウルフ)
   アナ・ケンドリック(デイナ・カミングス)
   J・K・シモンズ(レイモンド・キング)
   ジョン・バーンサル(ブラクストン)
   ジョン・リスゴー(ラマー・ブラックバーン)
   シンシア・アダイ=ロビンソン(メリーベス・メディナ)
   ジェフリー・タンバー(フランシス・シルバーバーグ)
   ジーン・スマート(リタ・ブラックバーン) ほか
製作:マーク・ウィリアムズ、リネット・ハウエル・テイラー
製作総指揮:ギャビン・オコナー、ジェイミー・パトリコフ、マーティ・P・ユーイング
撮影:シーマス・マッガーベイ
美術:キース・カニンガム
衣装:ナンシー・スタイナー
編集:リチャード・ピアソン
音楽:マーク・アイシャム

鑑賞日:2016年1月24日
場所:TOHOシネマズ日本橋 スクリーン8 D13


■ ストーリー
小さな会計事務所を営む会計士クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)には数多くの秘密を持っている。子供の頃から精神的な問題を抱え、その兄妹も同様に問題があった。そんな彼らを置いて母親は家を出て行き、父親はスパルタ的にクリスチャンを鍛え上げていく。成人した彼は刑務所生活を経験する。そこで出会ったマフィアのボスから裏社会についての教育を徹底的に教え込まれ、出所後、会計士を隠れみのに裏社会の取引を請け負っていた。
ある時、大企業から財務調査を受けたクリスチャンは不正会計を発見する。しかし、あと少しで全てを暴き出すというところで突如として契約を打ち切られてしまう。それを機に、クリスチャンの身に危険が及び出す。
同時期に、アメリカ政府が数多くの裏取引にクリスチャン・ウルフが絡んでいることをつきとめ、彼の正体を曝こうと動き出す。


▶ 映画館環境
TOHOシネマズ日本橋スクリーン8
座席数292 スクリーンサイズ16.0×6.7m TCX DOLBY ATMOS

D13は前から4列目、ほぼ中央の席
多少近すぎる感はするものの、疲れることなく迫力は十分


▶ 作品レビュー
殺戮の表現と精神的に問題を抱えている人の表現に嫌悪感を持つ人もいるとは思うが、批判を恐れずいや気にもとめないと言うべきか、積極的で自由な表現をむしろ肯定的に捉えたいところ。
そう思えるのも話が面白いから。有り得ない虚構を映像構成とストーリー展開で完全に気持ちを持って行かれた。
ベン・アフレックが見事なはまり役だったと思った。知的で人とは違って愛情深い微妙な演技があってこそ、喜怒哀楽をくすぐられたように思う。
斬新な話?強引な話?展開も粗い?単純?ゆえに予想がつく…とツッコミどころは多いけれど、それをも上回る面白さが確かにあった。


 

本能寺ホテル

本能寺ホテル(2017年・日本)
公開日:2017年1月14日
配給:東宝
時間:119分

監督:鈴木雅之
脚本:相沢友子
出演:綾瀬はるか(倉本繭子)
   堤真一(織田信長)
   濱田岳(森蘭丸)
   平山浩行(吉岡恭一)
   田口浩正(大塚)
   高嶋政宏(明智光秀)
   近藤正臣(吉岡征次郎)
   風間杜夫(本能寺ホテル支配人)
   八嶋智人
   平岩紙
   宇梶剛士
   飯尾和樹
   加藤諒 ほか
製作:小川晋一、市川南、堀義貴
プロデューサー:土屋健、古郡真也、片山怜子

アソシエイトプロデューサー:大坪加奈
撮影:江原祥二
照明:杉本崇
録音:柿澤潔
美術:あべ木陽次、吉澤祥子
衣装:大橋豊
編集:田口拓也
音楽:佐藤直紀

鑑賞日:2016年1月24日
場所:TOHOシネマズ日本橋 スクリーン6 C12


■ ストーリー
彼からの結婚のプロポーズを受けた倉本繭子(綾瀬はるか)は、彼の両親の金婚式と婚約の挨拶を兼ねて京都を訪れる。ホテルの予約日を間違えてしまった繭子は、滞在するためのホテルを探して、本能寺ホテルという名のホテルにたどり着く。部屋に向かうためにエレベーターに乗ったはずが、到着したのは見慣れない寺のような場所だった。時代は戦国時代の世、場所は本能寺、そしてそこに居たのは織田信長とその家臣。どうやら、あるきっかけでエレベーターを介して現代から過去へとタイムスリップするようだった。そして繭子は知る、自分が迷い込むようになってしまった時代は今まさに本能寺の変が起ころうとしている場面であると──。


▶ 映画館環境
TOHOシネマズ日本橋スクリーン6
座席数215、スクリーンサイズ13.6×5.7m、比較的大きな劇場

C−12は前から3列目の真ん中付近
柵や手すりなども無く足元はかなりゆったりできる
スクリーンが大きいため3列目はやや前過ぎる


▶ 作品レビュー
役者映像とともに質的には申し分ないけれど、舞台も題材もテーマみたいなものも全てありきたりに思えた。正直見る前から懸念していたことだが、それを全く超えるものではなかった。せめて結末くらいもう少し工夫してほしいなどと思ってしまった。
脚本も、分かりやすさ重視だとは思うけれど余りに単純に思えてならない。すべて万人が詳細にわたって理解する必要もないと思うのだが…
とても楽に見ることができたし、笑い所も少なくない、ゆえに楽しめたのかなとは思うものの、物足りないことこの上ない、そう言わざるを得ない映画であった。

 

傷物語 Ⅲ 冷血篇

傷物語 Ⅲ 冷血篇(2017年・日本)
公開日:2017年1月6日
配給:東宝映画事業部
時間:83分
PG12

総監督:新房昭之
監督:尾石達也
原作:西尾維新
CV:神谷浩史(阿良々木暦)
   坂本真綾(キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード)
   堀江由衣(羽川翼)
   櫻井孝宏(忍野メメ)
   入野自由(エピソード)
   江原正士(ドラマツルギー)
   大塚芳忠(ギロチンカッター) ほか
キャラクターデザイン:渡辺明夫、守岡英行

音響監督:鶴岡陽太
音楽:神前暁
アニメーション制作:シャフト

鑑賞日:2016年1月10日
場所:TOHOシネマズ日本橋 スクリーン4 F5


■ 作品説明
傷物語三部作の完結編
3人の強力な吸血鬼ハンターとの戦いに勝利した阿良々木暦は、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの四肢を奪い返し、彼女は元の姿を取り戻す。そのとき暦は自分がしてしまったとんでもないことを知ってしまう。その自覚が彼をキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとの対決へと導いて、不死の吸血鬼同士の壮絶な戦いが始まる。かたや人間の世を守るために、かたや吸血鬼が支配する世の中を手に入れるために──。
阿良々木暦は羽川翼と忍野メメの協力のもと、同属にして最強のキスショットを倒しなおかつ自らも元の姿に戻るべく最後の戦いに向かっていく。


▶ 映画館環境
TOHOシネマズ日本橋スクリーン4
座席数121、スクリーンサイズ9.6×4.0m、比較的小さな劇場

F5はやや後ろ寄りの真ん中列、通路側、スクリーンやや左寄り
ちょうど水平目線にスクリーンが来るので見やす
個人的なベストなポジションは通路正面の最後列

結構人がいたという印象 若い・オタクっぽい客中心


▶ 作品レビュー
このアニメが伝えたかったこと、それは赤だったと理解した。
話はとてつもなく面白い、それは確固とした原作があるわけで、当然といえば当然、それをアニメというものでどう表現するかを追求していたと思えた。その姿勢が強すぎて目に余るところもあったような気がしたけれど、非常に楽しめた。
シャフト40周年という出だしを見せられると、アニメの歴史も大いに詰まっているのだという思いに駆られるし、実際にそういった要素をたくさん観察できる。昔ながらのベタな表現が所々にちりばめられて、笑えるし、それが作品らしさをつくり上げていたような印象を受けた。

そしてここから本当の化物語を実感できるのかなと思いながら、再び見返そうと心に強く思いながら家路に急ぐ─

 

ポッピンQ

題名:ポッピンQ(2016年・日本)
公開日:2016年12月23日
配給:東映
時間:95分

監督:宮原直樹
原作:東堂いづみ
脚本:荒井修子
CV:瀬戸麻沙美(小湊伊純)
   井澤詩織(日岡蒼)
   種崎敦美(友立小夏)
   小澤亜李(大道あさひ)
   黒沢ともよ(都久井沙紀)
   田上真里奈(ポコン)
   石原夏織(ルチア)
   本渡楓(ダレン)
   M・A・O(タドナ)
   新井里美(ルピイ)
   石塚運昇(長老/ラムタムラス)
   山崎エリイ(レミィ)
   田所あずさ(深町美晴)
   戸田めぐみ(三橋ナナ)
   内山昴輝(レノ)
   羽佐間道夫(元治)
   小野大輔(俊平)
   島崎和歌子(恵理子) ほか
企画:松井俊之
プロデュース:松井俊之
プロデューサー:金丸裕
キャラクター原案:黒星紅白
キャラクターデザイン:浦上貴之
総作画監督:浦上貴之
CGディレクター:中沢大樹
色彩設計:永井留美子
美術設定:坂本信人
美術監督:大西穣
音楽:水谷広実、片山修志

主題歌:Questy
オープニングソング:P.IDL
アニメーション制作:東映アニメーション

鑑賞日:2017年1月4日
場所:TOHOシネマズ日本橋 スクリーン9 G13


■ 作品について
それぞれの悩みを抱えた中3女子が“時のカケラ”という石のようなものを拾い、それをきっかけに“時の谷”という異世界へと導かれる。そこには“ポッピン族”と呼ばれる人々が暮らしていたが、彼らを脅かす者のためにその世界そのものの危機が迫っていた。その危機を救うためには、少女たちが心を一つにしたシンクロダンスが必要だった。
ポッピン族を襲う“キグルミ”と呼ばれる悪と戦いながら、少女たちはダンスの修業に励み続ける、そして徐々に時の谷が崩壊していく──、それをくい止め、元通りの世界に戻すには少女たちが心を一つにしたダンスしか無かった。
東映アニメーション創立60周年に贈る最高の青春応援ストーリー、ということらしい。

▶ 映画館環境
TOHOシネマズ日本橋スクリーン9
客席数:145 スクリーンサイズ:10.1×4.2m 比較的小さい劇場

G13は劇場中央列付近、通路側の席、スクリーン向かって右寄り
ベストの席を見出せづらい劇場だが真ん中とか通路側が賢明か

非常に空いていた 客層極めて雑多


▶ 作品レビュー
ダンスと一つのメッセージを明確にする事に注力した作品という印象。ダンスの動きや絵は素晴らしく、そのメッセージも素直に響いてくる。
ただストーリーがあまりに短絡的というか、ご都合的なところがたくさんあって、まぁ分かりやすくては決して受け入れられないわけではないけれど、アニメだからこれでいいかな、といったような安直さが透けて見えるような気になってしまった。そういったことから、低年齢向けの作品としか思えなかった。
キャラクターや異空間の世界観も洗練されていたように見えた。それだけにストーリーのあまさが致命的に思える。もったいないというか残念というか…。アニメ好きとダンス好き以外にはあまり響かないような気がして、これで果たして青春を応援できるのだろうかという疑問が残滓のごとく心の中でわだかまる。
エンドロールの後、おまけのような意味深な映像があった。それは決して残滓などでは無く、むしろ興味深いものではあったけれど、それ故にいろんな意味でナゾ。
これを見て興奮している対象がどうしても見えてこなかった。

 

海賊とよばれた男

海賊とよばれた男(2016年・日本)
公開日:2016年12月10日
配給:東宝
時間:145分
G

監督:山崎貴
原作:百田尚樹
脚本:山崎貴
出演:岡田准一(国岡鐡造)
   吉岡秀隆(東雲忠司)
   染谷将太(長谷部喜雄)
   鈴木亮平(武知甲太郎)
   野間口徹(柏井耕一)
   ピエール瀧(藤本壮平)
   須田邦裕
   飯田基祐
   小林隆
   矢島健一
   黒木華(小川初美)
   浅野和之
   光石研(国岡万亀男)
   綾瀬はるか(ユキ)
   堤真一(盛田辰郎)
   近藤正臣(木田章太郎)
   國村隼(鳥川卓巳)
   小林薫(甲賀治作) ほか
製作:中山良夫
   古川公平
   市川南
   藤島ジュリーK.
   薮下維也
   永井聖士
   加太孝明
   堀義貴
   前田義晃
   弓矢政法
   阿部秀司
   安部順一
   永山雅也
   水野道訓
エグゼクティブプロデューサー:阿部秀司、門屋大輔
プロデューサー:佐藤隆博、守屋圭一郎、藤村直人

企画協力:奥田誠治
撮影:柴崎幸三
照明:上田なりゆき
美術:上條安里
衣装:水島愛子
録音:藤本賢一
装飾:龍田哲児
VFX:山崎貴
VFXディレクター:渋谷紀世子
編集:宮島竜治
音楽:佐藤直紀

鑑賞日:2016年1月4日
場所:TOHOシネマズ日本橋 スクリーン6 C6


■ 作品ついて
出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにした百田尚樹の同名小説を映画化。
小説は2013年の本屋大賞第1位を獲得したベストセラー。
戦前から石油業に着目して、時には国内の販売業者と対立し、そして時には石油メジャーという巨大な存在とも対立しながら、自らつくり上げた会社を必死に守り抜こうとする男の姿を描いた伝記的な物語。
原作、監督、主演は「永遠の0」と同じく百田尚樹、山崎貴、岡田准一。


▶ 映画館環境
TOHOシネマズ日本橋スクリーン6
座席数215、スクリーンサイズ13.6×5.7m、比較的大きな劇場

C6は前から3列目のスクリーンを正面に左側通路に面した席
柵や手すりなども無く足元はかなりゆったりできる
やや近すぎる観。壮大な映画は、長時間であるほどつらい

平日とはいえ年始であることと、話題性に富んだ作品であるためか
公開から1ヵ月にもかかわらずかなりの客数。客層は極めて豊富


▶ 作品レビュー
単に個人的な好き嫌いでしかないけれど、演技の演出が全体的に嫌い。
分かりやすさ重視なのかもしれないけれど、全てが過剰に見えて、全く感情移入ができない。
話そのものは面白い、CGもよく出来ているように見える、メイクやセットなども凄いと思う、他は自分にはダメ。
そもそもお国のため的な物語は苦手。物語の根本がそうであると、愛も笑いもとってつけたようにしか思えなくなってしまう。
非常に良くできた映画。長いしまさに大作。それに故の硬さを感じる。こうした作品があるから、役者を使わない映画などが出てくるんだろうなぁとどうでもいいことを感じたりもした。
劇中の音楽も自分にはダメでした。

 

マイルス・デイヴィス 空白の5年間

マイルス・デイヴィス 空白の5年間(2015年・米)
原題:Miles Ahead
公開日:(米)2016年4月22日 (日)2016年12月23日
配給:(米)Sony Pictures Classics (日)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
時間:101分
PG12

監督:ドン・チードル
原案:スティーブン・ベーグルマン、ドン・チードル、スティーブン・J・リベル、クリストファー・ウィルキンソン
脚本:スティーブン・ベーグルマン、ドン・チードル
出演:ドン・チードル(マイルス・デイヴィス)
   ユアン・マクレガー(デイヴ・ブレイデン)
   エマヤツィ・コーリナルディ(フランシス・テイラー)
   キース・スタンフィールド(ジュニア)
   マイケル・スタールバーグ(ハーパー)
   ハービー・ハンコック
   ウェイン・ショーター
   ゲイリー・クラーク・Jr.
   ロバート・グラスパー
   アントニオ・サンチェス
   エスペランサ・スポルディング ほか
撮影:ロベルト・シェイファー
美術:ハンナ・ビークラー
衣装:ガーシャ・フィリップス
編集:ジョン・アクセルラッド
   ケイラ・M・エムター
音楽:ロバート・グラスパー
音楽監修:エド・ジェラード

鑑賞日:2016年1月4日
場所:TOHOシネマズシャンテ CHANTER-2 E1


■ ストーリー
長らく音楽活動を休止していたマイルス・デイヴィス(ドン・チードル)──復帰すべく密かにマスターテープをつくり上げていた。その思惑に関係なく、沈黙し続ける彼のもとには、彼の才能を利用しようと様々な輩が群がってくる。音楽記者のデイヴ・ブレイデン(ユアン・マクレガー)もその1人。何度もマイルスの自宅を訪れ、ついには強引に接触する。しかし、インタビューはおろか強烈に拒絶されるのみ。酒やドラッグに溺れ、時には銃をぶっ放す危険極まりないマイルスであったが、しつこくデイヴを逆に利用しながら、次第にデイヴに心を許していく。そして、マイルスの栄光と挫折の音楽史が紐解かれていく。
そんな中、まだ世に出ていないマスターテープの存在が強欲な音楽プロデューサーに知られてしまい、それを自宅から盗まれてしまう。
命をかけて、マイルスは自らの音楽を守るべく戦う。そしてその代償は決して小さなものではなく、しかも休止していた5年間というブランクはあまりにも大きく、その才能すら蝕んでいた…

▶ 映画館環境
TOHOシネマズシャンテ CHANTER-2
座席数:202 スクリーンサイズ:3.3×7.9m 中規模な劇場といったところ
E1は前から5列目、スクリーン向かって左端
当然ながら真ん中付近の席がベストであること間違いないが、ちょっと深いかな…
それほど大きな劇場ではないので個人的にはE1、D19、E20辺りが好きな席
そこそこの人はいたけれど、年始の昼時ということを考えると少ない方か
もはや、マイルスもジャズも過去のものといったところか…年齢層極めて高し

▶ 作品レビュー
マイルスのディスコグラフィの如く、めくるめく映像が絡み合った映像で、時間軸も複雑。一瞬でも気を抜くと、置いて行かれそうになるのでは、と思ったけれど、結末やマイルスという物語はもはや見えているようなもので、複雑とは言えそれほど難しい作品ではなかった。
内容の全てが事実なのかどうかわからないけれど、仮に創作部分がほとんでもマイルスという人物像を良く表現していたように思う。実際のマイルスがどうだったのか知らないけど、間違いなくこんな感じ、と何となく納得させられた。
あれはビル・エバンズ?ホレス・シルバー?まさかコルトレーンじゃ…これハービーなわけないよなぁ…などなど色んな面でも楽しめた。
そしてエンディングにはハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、アントニオ・サンチェスなどの本物のパフォーマンスなどを見せてくれて少し感激したし、中央のドン・チードル演じる?マイルスが本物のように見えてしまって、いいものを見せてもらったなぁという気持ち。

 

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年・英)
原題:Eye in the Sky
公開日:(イスラエル)2016年3月10日 (日)2016年12月23日
配給:(英)Entertainment One (日)ファントム・フィルム
時間:102分
G

監督:ギャビン・フッド
脚本:ガイ・ヒバート
出演:ヘレン・ミレン(キャサリン・パウエル大佐)
   アーロン・ポール(スティーヴ・ワッツ)
   アラン・リックマン(フランク・ベンソン中将)
   バーカッド・アブディ(ジャマ・ファラ)
   ジェレミー・ノーサム(ブライアン・ウッデール)
   イアン・グレン(ジェームズ・ウィレット英外相)
   モニカ・ドラン(アンジェラ・ノース)
   フィービー・フォックス(キャリー・ガーション)ほか
製作:ジェド・ドハーティ
   コリン・ファース
   デビッド・ランカスター
製作総指揮:ザビエル・マーチャンド

      ベネディクト・カーバー
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
美術:ジョニー・ブリート
編集:ミーガン・ギル
音楽:ポール・ヘプカー
   マーク・キリアン

鑑賞日:2017年1月4日
場所:TOHOシネマズシャンテ CHANTER-1 D1


■ ストーリー
ケニア・ナイロビ上空からテロリストを攻撃しようとしているのはアメリカ軍の無人航空機、いわゆるドローン──。
それを直接指揮するのはイギリス軍のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)、彼女はロンドンからアメリカ・ネバダ州へとドローンを操縦する米軍兵士に指令を送る、まさしく英米合同の壮大な遠隔軍事作戦が展開されようとしていた。
英米軍はある重要なテロリストがナイロビに潜んでいることを突きとめ、どうにかして捕獲しようとドローンを使い偵察していた。
会議室では軍関係者や政治家たちがその映像を見守る。
すると、凶悪なテロリストが大量の爆弾を身にまとい、これから自爆テロを敢行しようとしている映像が映し出されてきた。
捕獲作戦が攻撃作戦へと変更され、ロンドンからネバダへとミサイル発射の命令が出される。攻撃目標はナイロビの住宅地、一般市民が巻き込まれる可能性が高い。しかし、この好機を逃せば、自爆テロによる大きな犠牲は計り知れない。
命令を出す側も受ける側も、刻々と変化する状況の中、様々な思いが去来し、その場その場にいる各々が互いに葛藤し、苦しみ抜く。そして、ある一つの選択が成され、それによる結果がもたらされる…。


▶ 映画館環境
TOHOシネマズシャンテ CHANTER-1 
座席数:225 スクリーンサイズ:3.5×8.2m 中規模な劇場といったところ
D1は前から4列目、スクリーン向かって左端
端でも問題なかったけれど、理想は中央の通路側の席もしくはC1、C18辺りだろうか
年始のためか年配中心にやや混雑していて思うように席を取ることができなかった

▶ 作品レビュー
ドローンを使ったミリタリーもの、悲しいというか、悔しいというか、やるせないというか、非常に面白かった。人道的観点からの描き方、ハイテクが一方的な攻撃に介入している現実、小さな犠牲で大きな悲劇を防ぐという観点、それら予想通りの内容ではあったけれど、攻撃する際のジレンマなるものを非常に巧みに表現していて、予想以上にハラハラドキドキさせられてしまった。
映像も、冒頭のタイトルバックからエンドロールに至るまで、非常に練られていてしかもカッコ良くて、ずっと集中して見ていたように思う。
ヘレン・ミレンの軍人役が、正直、嵌まっていたのか違和感があるものだったのか判断がつかなかったけれど、個々の演技など問題にならないくらいに展開が面白くて、しかも戦争賛美にも平和主義にも偏ることができない現実的な問題をしっかりと提示しているような気がして、少なからず考えさせられるところがあった。
映画は終わっても、描かれている事柄には終わりが見えないというふうに捉えることができたので、なおさらこの作品を評価したくなってしまった。