BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(2016年・アメリカ)
原題:The BFG
公開日:(米)2016年7月1日 (日)2016年9月17日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
時間:118分
監督:スティーブン・スピルバーグ
原作:ロアルド・ダールの『オ・ヤサシ巨人BFG』
脚本:メリッサ・マシスン
出演:マーク・ライランス(BFG)
ルビー・バーンヒル(ソフィー)
ペネロープ・ウィルトン(女王)
レベッカ・ホール(メアリー)
レイフ・スポール(ティブス) ほか
製作:スティーブン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、サム・マーサー
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ、ジョン・マッデン、クリスティ・マコスコ・クリーガー、マイケル・シーゲル
共同製作:アダム・ソムナー
撮影:ヤヌス・カミンスキー
美術:リック・カーター、ロバート・ストロンバーグ
衣装:ジョアンナ・ジョンストン
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
シニア視覚効果監修:ジョー・レッテリ
視覚効果監修:ガイ・ウィリアムズ
鑑賞日:2016年9月21日
場所:TOHOシネマズららぽーと船橋 スクリーン10 J14
■ ストーリー(公式HPより)
ロンドンに暮らす、好奇心旺盛な10歳の少女ソフィー。ある真夜中、彼女は窓から侵入した “巨大な手”によってベッドから毛布ごと持ち上げられて、“巨人の国”に連れ去られてしまう。ソフィーを連れて行ったのは、夜ごと子供たちに“夢”を送り届ける、やさしい巨人BFG(=ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)だった。
ひとりぼっちだったソフィーは、巨人にしては優しすぎる孤独なBFGと心を通わせ、いつしかふたりの間には身長差6メートルの“奇妙な絆”が生まれてゆく。しかし、BFGとは正反対の凶暴な巨人たちによる恐るべき計画が…。このままではイギリスの子供たちが危ない──。この危機を救う唯一の鍵は、何事も恐れない小さな少女ソフィーの勇気だった…。
▶ 映画館環境
TOHOシネマズららぽーと船橋スクリーン10は座席数130、スクリーンサイズ4.1×9.8mと比較的小規模な劇場。選択した席はI-15、最後列やや向かってやや右寄り位置。座席に対してスクリーンサイズは大きく感じるので、スクリーンに近い場所を避けるべきかもしれない。最後列でも、その迫力は失われることはなかった。
▶ 作品レビュー
原作は読んではいない。
児童文学の映像化ということで、子供向けであることを覚悟して臨む。半分予想通りで、半分違ったという印象。そもそも、児童文学だからといって、幼稚とか劣っているとか卑下すること自体が間違いで、理解する上で分かりやすくなっているだけで、その内容は深いものも少なくなく、場合によっては残酷であったり辛辣であったりする。
──ここからは思いっきりネタバレになってしまうけれど…
この作品の内容も、人間が巨人に食べられてしまうとか、巨人退治に軍隊が動員されたり、捕らえられた巨人は海に捨てられてしまうとか、明確な悪を描きあげるための表現は容赦ない。
核となるストーリーは世界を救った少女とBFGのハッピーエンド。か弱き孤児と優しきBFGをぞんざいに扱う悪しき巨人は、見知らぬ海に捨てられて当然であり、退治されて気分爽快、ああスッキリ、という落ちなのだが、個人的にはそんな単純明快な気持ちにはなれなかった。
英国王室のパロディーとか、野蛮な巨人らの振る舞いとか、おならとか、お化けキュウリとか、素直に笑わせてくれる小ネタがたくさんちりばめられており、大いに笑う。見ている者を楽しませてくれるクリエーターの志には、ただただ感服するのみ。
しかし何といっても、ドリーム・ツリーの表現が素晴らしかった。水辺の表現や、暗がりの中に無数にきらめく夢の表現などを、実写とCGを駆使し、さらにカメラワーク等々あらゆるものを見事に融合させた至極の映像。今更ながらに夢の大切さを一目で教えられた思いで、このシーンだけで自分にとってこの作品の重要度は増した。
ストーリーとかジョン・ウィリアムスの音楽とかは、もはや自分にとってどうでもいいものになり、終始スピルバーグの映像美に魅せられていた。光と影の映像美は、どんなにCGを駆使した映像であれ、スピルバーグの力は失われることはない。
あえて日本語吹き替え版を見たこともよかった。文字で映像がつぶされることもなかったし、目で文字を追う煩わしさもなかったわけで、常に映像に集中できた。
日本語吹き替えで少し不満を感じたのは、ソフィーの声。本田望結による声。年齢的にはばっちりな人選だと思うけれど、その声がちょっと大人っぽくてソフィーの容姿に合っていない印象を受けてしまった。吹き替えもので子供の声を成人がするという意義を大いに感じた、まぁ取りに足りないことかもしれないけれど。
吹き替えで良かったと思ったことがもう一つあって、それはBFGが言葉を言い間違える設定が存分に発揮されるところで、そこから生まれる笑いを素直に堪能できた。
これが、英語を聞いて字幕で「言いまつがい」と表示されてやっと理解できたとしても、鼻で笑う程度かなと勝手な想像をしてしまう。だから、吹き替え結果良し。
映画の評価は、残念ながら、スピルバーグ映画としてはかなり低い。しかし、低評価の理由も何となくわからないでもない。子供向けにしても下品で野蛮で辛辣、大人向けにしても分かりやす過ぎる勧善懲悪、いかに素晴らしい映像であろうとも満足感はかなり薄いものなのかもしれない。下品で野蛮で辛辣な演出など、自分は可笑しくてたまらなかったし、勧善懲悪ながら実はそうでもないと思うと、なんだか言い知れない深みを感じてしまった。それらは皮肉れた見方でしかないのかもしれないけれど、スピルバーグの映画は何気に一筋縄ではいかない、と勝手に思っているからこそ、いろいろと楽しめたのかもしれない。
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