残穢 (ざんえ)住んではいけない部屋(2016年・日本)
公開日:2016年1月30日
配給:松竹
時間:107分
監督:中村義洋
原作:小野不由美
脚本:鈴木健一
出演:竹内結子、橋本愛、佐々木蔵之介、滝藤賢一、坂口健太郎ほか
撮影:沖村志宏
照明:岡田佳樹
美術:丸尾知行
音楽:安川午朗
鑑賞日:2016年2月1日
場所:新宿ピカデリー シアター1 H−10
■ ストーリー
読者の体験談をもとに作品を書き続けている小説家(竹内結子)がいつものように目にした一通の手紙。ある女子大生(橋本愛)からのその手紙には、引っ越し先の奇妙な音に悩まされているとの内容が書かれていた。特別に目新しいものではなかったが、妙に気になるところがあった。それもそのはず、前にも同じような体験談があり、以前の手紙を掘り起こしてみると、住所のマンション名が同じであった。ただ部屋番号が違う。
小説家と女子大生は、手紙やメールのやり取りを手始めに、直接会って、ついに共に原因の究明をしていくことになる。
以前もらった手紙の送り主は既に引っ越していた。その後そこに住んでいる人を取材すると、やはり奇妙な出来事が起こっていた。そしてまた、引っ越していった前の住人の行方を探っていくと、奇妙な死を遂げていたことが判明。追えば追うほど暗い影が付きまとってくる。そして、その根は深く、過去にその地で起きた変死事件や自殺事件に行き当たり、ついには嬰児殺害事件にまでたどり着く。しかし、原因はそれだけでとどまることを知らず、精神障害があった者が閉じ込められていた座敷牢や、不吉な掛け軸の存在を知ることになる。
奇妙な連なりは次々わき起こり、追究はつづいていく。そして、ついには九州の炭鉱の時代にまで遡っていく。果たして、穢れの根を突き止めることはできるのか!?
第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美の同名小説を映画化
▶ 映画館環境
新宿ピカデリーのシアター1は582席、スクリーンサイズ7.2m×17.2mと大きな劇場。館内4階に位置して10あるシアターの中で最大。見た感じかなりの迫力。音響もこだわっていて、確かに空間表現が素晴らしかった。
席は前方部分7列、後方部分12列に分けられている。座ったH-10席は後方部分最前列の通路側。多少見上げになるものの、柵など一切ないので、この劇場のシアター1はH列がベストチョイスだということを記録。
夜遅くの上映。客もまぁまぁの入り。途中携帯のバイブが聞こえた。この劇場で携帯の通知を感知したのは2度目。前は思いっきりメロディーが鳴って周りから叱責されていた。たまたまかもしれないけれど、松竹系の映画を見にくる客は時代に追いついていない。偏見であることは承知の上で敢えて記す。
▶ 作品レビュー
いろんな予告を見て、これは単純なホラー映画ではないと思ったので、興味がわく。ある意味そうだったし、しかし結果紛れもないホラーだった。だから、何だか言い知れない残念感。ホラーと思って見に来たならば、むしろスッキリだったのかもしれない。とは言え、ホラーだと分かっていれば見に来なかった可能性の方が強いのだが…これは結果面白くなかったという単なる言い訳かもしれない。
逆にどうしたらこの映画を見に来たことを肯定できるのか探ってみる。すると竹内結子と橋本愛を見に来たかったのだという思いに至る。あの二人は不思議とこの映画には合っていた気がする。ルーズにメガネをかける竹内結子のほくろ顔に見とれ、彫刻のような橋本愛の目鼻立ちうっとり─、それプラス竹内結子のたる~い語り口と橋本愛の若々しい声音に快感─、ホラーとかサスペンス関係なしに、ひとり萌えていました。
もともと竹内結子のファンでも橋本愛のファンでもありません。なので二人見たさという理由も後付けでしかないのですけれどねー。
別に全てにわたってつまらなかったわけではありません。むしろ、女優二人含め、楽しめた要素の方が多かった。
特に怪奇現象の原因を徹底的に取材していく過程には、食い入るように見ていました。一見、科学的なようで全くそうではなく、むしろ非科学的なものを肯定した前提で追究が成されているんですが、多面的なものが一つの事柄に集約してくることで、追究している非科学的な出来事は決して絵空事ではないという説得力を与えてくれる。
自分には霊感など全くない。でも、霊的現象はあると思っているし、見える人と見えない人、見えるときと見えないときがあるのだと信じている。だから、霊を無理に見せてくれなくても、思わせぶりで十分リアルなホラーを感じことができる。だから、この映画のように怪奇現象を追究していながら、実際の霊なるものがほとんど出てこない展開に何だか好感が持てる気がして見てました。
霊を実際に登場させる場合は、回想とか人づての話とかで処理するあたりも、うまいなと思いながら感心していたんですけど、最終的にお化け登場でガッカリ。その描写もうまくない。まぁ霊感がない自分にはそれがリアルなのかどうなのか、判断できないけれども。
最初から絵のこだわりなども感じなかったし、結局はホラーだったし、中途半端な怪談話だし、いったい何がしたかったんだろうこの映画、というのが率直な感想。
個人的には竹内結子と橋本愛のお化け追究で終始して欲しかったなぁという思い。それが解決しようがしまいがどうだっていいんです。そんなの追求してたら、使い捨て映画になるだけなのに…
何だか女優の話ばかりでいやらしいので、男優の話もしておくと、滝藤賢一と佐々木蔵之介は遊山臭さ満載で非常に良かったです。竹内結子の夫役の滝藤賢一は、お化けはビジネス意外興味ないっていう雰囲気が伝わってくるし、有名な作家役の佐々木蔵之介は霊感ないけどお化け大好き感丸出しで非常に面白かった。坂口健太郎は…あまり効果的ではなかった気がします、個人的にあまり好みじゃない役者なんでそう思ってしまっただけ。
結局は結構楽しめた映画だったんですけど、終わり方があまりにも納得いかなかったので、いろんは不平不満がつのります。当初は結果ホラーだったことがその原因だと考え、ここでもそう述べてきたんですけど、よくよく考えてみると、ホラー映画だと銘打っているわけだから結果ホラーが正しいわけで、それにあれこれ文句をいう自分などのような輩が間違っているわけです。自分としても霊体は出てくるんだろうなという思いで見ていたわけだし、それがホラーというよりはどちらかといえばミステリー寄りの展開に、いつの間にか通常のホラーとは違う結末を求めていて、それが肩すかしのような感じになった─…と思っていたけれど、単に終わり方が良くなかっただけだということに、今ようやく気が付きました。遅すぎますけど…。
どうせ霊体を出すならば、主要な登場人物のところへ向かわせるべきなんじゃないかなーと思うわけです。どうでもいい脇が襲われようがどうなろうが、見ているこちらだってどうでもいいと思うわけです。もしかして、あそこから竹内結子や橋本愛へと穢れが忍び寄っていくということを、暗に示していただろうか?そうであったとしても、決してそうは捉えることができなかった。だから、いろんな意味で肩すかしを食らった印象だったのかもしれません。
ホラー好きにもそうでない映画ファンにとっても、中途半端に映ってしまう、少し残念な作品であることは間違いないと思います。
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