イット・フォローズ

イット・フォローズ(2014年・アメリカ)
原題:It Follows
公開日:(米)2015年3月27日 (日)2016年1月8日
配給:ポニーキャニオン
時間:100分

監督:デビッド・ロバート・ミッチェル
脚本:デビッド・ロバート・ミッチェル
出演:マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ジェイク・ウィリアーほか
撮影:マイケル・ジオラキス
編集:マイケル・カーン
音楽:リッチ・ブリーランド(Disasterpeace

鑑賞日:2016年1月9日
場所:TOHOシネマズ六本木 スクリーン3 H19席


■ ストーリー
セックスをすることで“あるモノ”が感染する。“それ”は感染した者にしか見ることができない。そして“それ”は一度感染すると、どこまでもゆっくりと歩いて近づいてくる。“それ”に捕まったら必ず死がまっている。
ジェイ(マリカ・モンロー)は好意を寄せる男の子ヒュー(ジェイク・ウィリアー)と関係を持ち、“それ”を感染させられる。「誰かと関係を持って“それ”をうつせば、うつされたやつが死ぬまで自分に戻ってくることはない。絶対に死なないでくれ、お前が死ねば“それ”は自分に戻ってくる」─そう言い放って、ヒューは姿を消してしまう。
ほどなくジェイに“それ”が歩み寄ってくる。最初は何なのか分からなかった彼女も、次第にその恐ろしさを理解する。
彼女の言動を異常に感じていた幼馴染みの友人たちも、徐々に彼女が見舞われている恐怖が分かってきた。そして彼女を何とか“それ”から助け出そうと奔走する。中には“それ”を共有することによって戦おうとする者もいたのだが…。
果たして“それ”から逃れることができるのか─。

▶ 映画館環境 
TOHOシネマズ六本木のスクリーン3の収容数は140でそれほど広くない。スクリーンサイズは4.0×9.7m、スクリーン7のTCXに比べたら半分のサイズではあるが、迫力は十分ある。
H19席は9列あるうちの7列目、スクリーンを前に右から2列目、通路側の席。前は手すりで、前席などは気にすることなくゆったりとできる。ただ、手すりが視界に入ってくる感じがするのがやや難。スクリーン3の最前列にも手すりが設けられているところが気に入らない。
週末の夜の上映ということもあってか、かなりの客入りだった。

▶ 作品レビュー
スティーブン・キングの世界観、あるいはナイト・シャマランの映画、それとも映画「サスペリア」とか「13日の金曜日」というべきなのだろうか、あまりオリジナル性を見いだせない、あらゆるホラー的な要素をコラージュしたような印象。
有名役者が出ているわけでもなく、画面の構図が優れていたり絵そのものが美しかったり優れていたりするでもなく、小型カメラもたくさん使用されていたし、ストイックな映像というものは縁遠い。それもそのはず、2億円ともいわれる低予算で仕上げた映画であり、所謂B級ホラーというカテゴリーに類するものかと思う。
セックスによってインビジブルな奴にとりつかれるという発想がこの映画の全て。“奴ら”は常に歩いて近づくという設定も、かなり面白い。じわじわと迫ってくる恐怖を、よく表現できていると思う。
かのタランティーノ絶賛という触れ込みで、相当な評価をされている。しかし、斬新なのはセックス感染と歩くだけという設定のみ。あとは全て何かの焼き写しのように見える。
制作側は大作など作るつもりなど毛頭なかったように思う。ただ予算内で面白くするにはどうすればいいのか、それだけを考えながら作られた作品のような気がする。
映画芸術などといった堅苦しい考えでいうと、こんな作品は全く評価できるものではない。セックス描写ありきであり、半ばパクリだらけの映画なのだから、これを未来に残す意義なんていうものは皆無である。
しかし、映画は大衆の娯楽としてこそ成り立つ面が大いにあるわけで、そういったエンタメ性においては非常に優れた作品だといえる。ドキドキハラハラさせ多くの観客を引きつけている。同時期に見たスピルバーグの「ブリッジ・オブ・スパイ」と比べたとき、観客の数においてこの作品が圧勝していたという現実を目の当たりにし、低予算のパクリだらけの面白い映画が多額の金をつぎ込んだ大作を凌駕するという痛快さを感じないわけには行かない。そして同時に悲しくもあるのだが…。
低予算でアイデア勝負というのは非常に評価できる。あとはもっとオリジナティーを追求して欲しいところではあった。オマージュとかリスペクトという言葉を用いるならばキレイに収まりそうだが、あまりに過去のものに似すぎている気がしてしまう。
ただ仮にこういった低予算のパクリ的な手法を繰り返して作り続けていったなら(もちろんアイデア抜群で面白いということが前提ではあるけれど)、ひとつの映画製作の手法が確立されるかもしれない。それがB級ホラーとかいったものだよ言われると返す言葉もない。
いずれにしろ、不思議な魅力と可能性を秘めた作品なのかもしれない。

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