ザ・ウォーク

ザ・ウォーク(2015年・アメリカ)
原題:The Walk
公開日:(米)2015年9月30日 (日)2016年1月23日
配給:ソニーピクチャーズ・エンタテインメント
時間:123分

監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ロバート・ゼメキス、クリストファー・ブラウン
原作:フィリップ・プティ「マン・オン・ワイヤー」
製作:スティーブ・スターキー、ロバート・ゼメキス、ジャック・ラプケ
製作総指揮:シェリラン・マーティン、ジャクリーン・ラビーン、ベン・ワイズバーン
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、クレマン・シボニー、セザール・ドンボイほか
撮影:ダリウス・フォルスキー
美術:ナオミ・ショーハン
編集:ジェレマイア・オドリスコル
音楽:アラン・シルベストリ

鑑賞日:2016年1月26日
場所:TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 IMAX3D F−15


■ ストーリー
1974年、当時世界一の高さを誇っていたワールドトレードセンター。高さ411mで最上階が110階。そのツインタワーの間にワイヤー1本だけを張って、命綱なしで渡りきろうとした強者がいた。それがフランス人の大道芸人フィリップ・プティだ。
許可の見込みのない非合法な計画は、秘密裏に、着々と進められる。まずは自らの英語を鍛え上げ、並行して、熟練した大道芸人から綱渡りの極意を伝授してもらいながら技も鍛える。資金が貯まった段階でアメリカに渡り、恐らく犯罪になるであろうこの馬鹿げた計画の共犯者を探し出す。ある程度の共犯者と計画が出来上がってきて、いよいよニューヨークに乗り込む。
ツインタワーの一方は完成しすでに営業が始まっていたが、もう一方はまだ工事中。チャンスは完成前。それまでに何度もツインタワーへ赴き、人の動きやビルの動きなどをつぶさに監察し計画を練っていく。新たな協力者も加わり、ようやく実行の日取りが決定された。
果たして、フィリップ・プティと共犯たちのとんでもない計画はうまくいくのだろうか?そして、フィリップ・プティの運命やいかに!?
この綱渡りの実話は、ドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー」(2008年・米)として一度描かれていて、第81回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞している。今回はそれをドラマ映画化したもの。

▶ 映画館環境
TOHOシネマズ新宿のスクリーン10は座席数311のIMAXシアター。個人的に今最も好きな劇場。特にF列は足元が広くて手すりなど障害物もないので、必ずその列の席を取ることにしている。今回もF−15をゲット。かなり真ん中寄りの席。F列の8〜26であればどこでも満足いく迫力を堪能できる。面白いか否かは、その映画次第だが。
平日の朝一の上映でも、人気作品であるからなのか、かなりの客数。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」や「マッドマックス 怒りのデスロード」ほどの盛況ではなかったけれども、「進撃の巨人」の時よりは人がいたような気がする。

▶ 作品レビュー
昨年の東京国際映画祭にてオープニング(2015年10月22日)を飾った作品。その時に見ること叶わず、3ヵ月待ってようやく観賞。
観賞する際は3Dで見ようと決めていたのだが、その思いは正しかったと確認できた。上から、下から、3Dを意識した映像づくりで、臨場感がハンパない。上から棒が降ってきた場面なんか思わず体がビクッとなってしまったし、高層ビルからのぞき込む映像などには足元が立ちすくむ。あまりの臨場感に、本当にワールドトレードセンターはもう無いんだよなー、と有り得ない疑問さえ浮かんできた。
メインは間違いなく、WTCのCGやVFX。それを見るだけでも価値がある。確かに、主演のジョセフ・ゴードン=レビットは相当綱渡りを練習したんだろうなとか、ロバート・ゼメキスらしいコミカルでハートフルなストーリーとか、楽しめる箇所は数多くあるけれど、決してこれ見よがしではない物凄いCG・VFXには驚愕してしまう。ビジュアル効果ありきの映像づくりではなく、あくまでどんな表現でどう伝えたいのかという前提があっての特殊効果だと感じることができる。
一方でこの映画は、ごく普通の伝記とかドラマにしか見えないかもしれない。だから、高所が苦手だとか無意味な行為は気に入らないとか思っている人にとっては、嫌悪感しか覚えないかもしれない。何せ、ビルの上から見下ろす世界やビルそのものも全くCGには見えないのだから…。
大画面の3Dを存分に味わっている中で、果たしてこれをスマホとかで見たとしても本当に面白さが伝わるのだろうかと、大いに疑問に思った。結末は分かっているし、話もそれほど凝ったものではない。単純明快ではあるけれど、もしかしたら退屈な作品に思えるかもと─。とはいえ、個人的には、強烈な個性が様々な手助けを受けながら、とてつもないことをなし得たそのストーリーに感動したし、個人プレーがいつの間にかチームワークに変わっていく様に共感できた。分かりやすいが故に、純粋にお話しを楽しめたところもある。それでも、単に話を追うだけじゃもったいない映画であることは間違いない。
それにしても、WTCというものは全く数奇な運命をたどった建物なんだなーとあらためて実感してしまう。もはや存在しないこのビルを、911という形ではなく、こうした痛快な出来事で再現する方がよっぽどいい気がする。さりげなくあの悲劇のことも思い出されたりして、郷愁的なものも誘うだろうし。仮にWTCが倒壊する映画が作られたとしても、個人的には見る気はしない。
この作品は、フィリップ・プティの伝記であると同時に、WTCの雄姿を伝えるものでもある。そう捉えながら観賞すると、全く違った印象になるかもしれない。

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