五日物語-3つの王国と3人の女-

五日物語 3つの王国と3人の女(2015年/イタリア・フランス合作)
原題:Il racconto dei racconti
公開日:(伊)2015年5月14日 (日)2016年11月25日
配給:(伊)01 Distribution (日)東北新社、STAR、CHANNEL MOVIES
時間:133分

監督:マッテオ・ガローネ
原作:ジャンバティスタ・バジーレ『ペンタメローネ(五日物語、Pentamerone)』
脚本:エドゥアルド・アルビナティ、ウーゴ・キーティ、マッテオ・ガローネ、マッシモ・ガウディオソ
出演:サルマ・ハエック(ロングトレリス国の女王)
   バンサン・カッセルスト(ロングクリフ国の王)
   トビー・ジョーンズ(ハイヒルズ国の王)
   シャーリー・ヘンダーソン
   ヘイリー・カーミッシェル
   ベベ・ケイブ
   ステイシー・マーティン
   クリスチャン・リース
   ジョナ・リース
   ギヨーム・ドゥロネ
   アルバ・ロルバケル
   マッシモ・チェッケリーニ
   ジョン・C・ライリー(ロングトレリス国の王) ほか
製作総指揮:アレッシオ・ラッツァレスキ、ピーター・ワトソン、ニッキー・ハッティング、アン・シーアン、シェリル・クラウン
撮影:ピーター・サシツキー
美術:マルコ・フルバト、マッシモ・ポーレット、ジャンパウロ・リフィーノ
衣装:マッシモ・カンティーニ・パッリーニ
編集:マルコ・スポレンティーニ
音楽:アレクサンドル・デプラ

鑑賞日:2016年11月1日 第29回東京国際映画祭 特越上映
場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン9 D-12


■ イントロダクション INTRODUCTION (公式HPより)
カンヌに愛された映像美に世界が騒然!!
★贅沢は実写化!──ヴァラエティ誌
★最も目と耳に贅沢な映画だ!──スクリーン誌
★とてつもなくセクシーだ!──テレグラフ紙
★見事なまでに狂っていて、
 綿密に想像された、素晴らしい映像美!──ガーディアン紙
★あなたが今年観た映画の中のどれにも似ていない!──マリ・クレール誌
世界最初のおとぎ話「ペンタメローネ[五日物語]」とは?  
17世紀初頭、ナポリ王国のジャンパティスタ・バレージが執筆した民話集。51話から成立する話は、全く別の物語のように見えるが、実際には全てが関連付けられて物語が進んでいく仕掛けとなっている。世界最初の民話集で、「白雪姫」「シンデレラ」「長靴をはいた猫」など、後にシャルル・ペローやグリム兄弟によって取り上げられた物語の原形と考えられている。
母となることを追い求め、
若さと美貌を熱望し、まだ見ぬ世界に憧れる──

400年の時を経て、
世界最初のおとぎ話が描くのは、
現代と変わることのない女の“性(サガ)”
17世紀初頭にナポリ王国のジャンバティスタ・バレージにより生み出された世界最初のおとぎ話「ペンタメローネ[五日物語]」に描かれたのは、400年の時を経た現代とか割ることのない、残酷までの女の“性(サガ)”
3つの王国が君臨する世界。ある王国では、女王が“母となること”を追い求め、また、ある王国では、老婆が“若さと美貌”を熱望し、そして、もう一つの王国では、王女がまだ見ぬ“大人への世界への憧れ”を抱いていた。
やがて、それぞれの願いは叶えられるが、そこには皮肉な運命の裏切りが待っていた…

カンヌを2度制した鬼才:マッテオ・ガローネによる、
残酷で美しい大人のファンタジー
「シンデレラ」「白雪姫」の原形となる物語を含み、グリム兄弟にも多大な影響を与えた「ペンタメローネ[五日物語]」の物語の数々から選ばれた3つのストーリーを1つのテーマのもと結びつけ、独創的な美的感覚で映像化したのは、「ゴモラ」「リアリティー」で、カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを2度受賞した鬼才監督:マッテオ・ガローネ。初となる英語での作品に、サルマ・ハエック、ヴァンサン・カッセルなど、誰もが知る国際的なキャストが集結。元画家の感性を十二分に発揮して、ゴヤの版画集や古典ホラー映画からのインスピレーションを得た壮麗な中に不気味さを漂わせる映像と、皮肉に満ちたストーリーが融合した、どんな映画にも似ていない、唯一無二の大人のファンタジーが誕生した!

まだ見ぬイタリアの歴史遺産を網羅した壮麗なロケーション
17世紀イタリアのバロック様式を再現するにあたって、イタリアを横断して歴史遺産ともいえる建物や、おとぎ話の世界そのものの景観での撮影を敢行。
3つの王国の城としてスクリーンにその荘厳な姿を現す、シチリアのドンナフガータ城、アブルッツォ州のロッカスカレーニャ城、世界遺産にも登録されたアンドリアのデルモンテ城の他、幻想的なアルカンタラ渓谷、ソヴァーナの洞窟など、我々の知るイタリアから一歩踏み込んだ、イタリア映画ならではの知る人ぞ知るロケーションも驚きの一つだ。

■ ストーリー STORY (公式HPより)

3つの王国に渦巻く、それぞれの世代の女たちの欲望。
それの果てには、運命の裏切りが待っていた…
3つの王国が君臨する世界。
ある王国では、不妊に悩む女王が“母となること”を追い求め、国王の命と引き換えに美しい男の子を出産した。
また、ある王国では、老婆が熱望する“若さと美貌”を不思議な力で取り戻し、妃の座に収まった。
そして、もう一つの王国では、まだ見ぬ“大人の世界への憧れ”を抱く王女の結婚相手が決められようとしていた。
しかし、3人の女たちの欲望の果てには、皮肉な運命の裏切りが待っていた…。

ハイヒルズ国の夢見る女王
まだ見ぬ大人の世界に憧れを抱きながら、王と共に城で暮らすハイヒルズ国の王女。城の外に出ることを切望する彼女の結婚相手に、王が決めたのは、屈強で醜いオーガ<鬼>だった。華やかな城から連れ出された、過酷な鬼の住処での生活に耐えながら、王女は逃げ出す機会を伺っていた…
 
ロングトレリス国の不妊の女王
不妊に悩むロングトレリス国の女王は、魔法使いの教え通り、王国の命と引き換えに得た
怪物の心臓を食べて、美しい男の子を出産する。成長した彼は、同じ怪物の心臓のもと生まれた下女の息子と兄弟のような友情に結ばれ、親離れの年頃となっていったが、女王はそれが不満でならなかった…
 
ストロングクリフ国の二人の老婆
人目を避けて細々と暮らす老婆の姉妹。好色なストロングクリフ国の王に、
その美しい声を見初められた姉は、不思議な力で若さと美貌を取り戻し、妃の座に収まるが、見捨てられた妹も、若さと美貌を熱望していた…

▶ 映画館環境
第29回東京国際映画祭オープニング作品
TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン9
スクリーンサイズ5.3×12.7m、座席数258
D-12は前から4列目、スクリーン向かってほぼ真ん中、スクリーンが大きいためやや近すぎるかもしれない。迫力は十分だが少々疲れる。
ほぼ満席。

▶ 作品レビュー
まずは、ロケーションと装飾が際立っていると感じた。
デルモンテ城、ロッカスカレーニャ城、ドンナフガータ城という現存するイタリアの古城を舞台に、中世ヨーロッパの妖しい美と飽くなき欲望が渦巻いていく。
原作がシンデレラやグリム童話の原形だというだけあって、非常にグロテスク。決して子供には見せることができない内容。しかしながら、その映像の美しさはハリウッドなどが描き出すお伽噺など凌駕するものであり、絵そのものに限っていえば、間違いなく老若男女を魅了する。でも、内容がグロすぎるので決して子供には見せたくないと思ってしまう。
ここまで徹底して煌びやかに残酷で異様な映画は今まで見たことがない。残酷さ奇怪さが際立っているものは数多くあれども、常に美しさを伴うグロさというものは容易に描けるものではないと思うし、仮に自分が過去の映画を知らなさすぎるだけだとしても、ここまで見事に醜怪を描ききっているものはないと言いきれるほどに魅惑的な映像だ。魅了されるとか嫌悪感を催すとか、そういった感情を超越して、もはや笑うしかない、個人的には終始そういった感情に見舞われた。
目の前に展開される妖しさに、どうしようもなく惹きこまれていき、どんなに残酷な展開であっても、そこに自分の身を置きたいと思ってしまう…まさに、禁断の欲望というべき映画といったところか──。
大きく3つに分類される物語の結末は、全て欲望が招く惨劇になっている。華麗で美しすぎるその映像のためなのか分からないけれども、それを教訓に禁欲的になるとかという感情よりも、むしろどんなに悲惨な結果に陥ろうともその欲望に浸ってしまいたいと思うほどに強欲になってしまった。
この映画はあまりに危険すぎる。見て、否定されて至極当然だと思うのだが、自分の欲に正直になればなるほど魅惑的に感じてしまい、それら欲に溺れてしまう気持ちに賛同しか覚えない。確かに、非常に緻密に丁寧に華麗に見事なまでに美しく仕上げられた映画であり、称賛されるべきものだと思う。しかし、この作品を多くの人が肯定するほどに世界の終わりも近づくのかなと思ってしまったりもする。まぁ、そんなことは有り得ないと思いつつ、もやはこの作品を体験した後ではこの作品が持つ危ない輝きを拭い去ることができないと一抹の不安を感じている。
といいつつも、自分の中にある貪欲をこの作品で全て消化してしまうこともまた可能かなとも思っている。そして清き正しき道を歩んでいけるのかなとも──。まぁそれこそ有り得ないことなのだけれど…。

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