誰のせいでもない(2015年/ドイツ・カナダ・フランス・スウェーデン・ノルウェー合作)
原題:Every Thing Will Be Fine
公開日:(独)2015年4月2日 (日)2016年11月12日
配給:(独)Warner Bros. (日)トランスフォーマー
時間:118分
監督:ビム・ベンダース
出演:ジェームズ・フランコ(トマス)
シャルロット・ゲンズブール(ケイト)
マリ=ジョゼ・クローズ(アン)
ロバート・ネイラー
パトリック・ボーショー
ピーター・ストーメア
レイチェル・マクアダムス(サラ)
製作:ジャン=ピエロ・リンゲル
製作総指揮:ジェレミー・トーマス
フセイン・アマーシ
アーウィン・M・シュミット
ビンス・ジョリベット
脚本:ビョルン・オラフ・ヨハンセン
撮影:ブノワ・デビエ
美術:エマニュエル・フレシェット
衣装:ソフィー・ルフェーブル
編集:トニ・フロッシュハマー
音楽:アレクサンドル・デプラ
鑑賞日:2016年11月12日
ヒューマントラストシネマ渋谷 シアター2 M-11
■ INTORODUCTION(公式HPより)
すべては雪の日に始まった。
巨匠ヴィム・ヴェンダースが描く 揺れ動く環状のランドスケープ。
誰のせいでもない。
優しく聞こえるその言葉が、もっとも苦しくて、そして切ない。
真っ白な雪に包まれたカナダ、モントリオール郊外。田舎道を走る一台の車。突然、丘からソリが滑り落ちて来る。車はブレーキをきしませて止まる。悲劇は避けられたかに思えたが… … 。誰のせいでもない一つの事故が、一人の男と三人の女の人生を変えてしまう。車を運転していた作家のトマス、その恋人サラ、編集者のアン、そしてソリに乗っていた少年の母ケイト。誰のせいでもない。優しく聞こえるその言葉の奥で、彼らの感情は揺れ動く。誰も責められない。誰も憎めない。苦しくて、切ない感情を抱きながら。これは、彼らの12年にわたる物語である。
巨匠ヴィム・ヴェンダースが映し出す
サスペンスフルな感情のランドスケープ。
監督は、『パリ、テキサス』、『ベルリン・天使の詩』などの名作や『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』などの大ヒットドキュメンタリーで知られる巨匠ヴィム・ヴェンダース。自らが発見したノルウェーの作家、ビョルン・オラフ・ヨハンセンのオリジナル脚本を得て、罪悪感と赦しというテーマを、時に繊細に、時に大胆に、心の奥をカメラで覗き込むようにして、人間の感情こそがいかにサスペンスフルかを描き出している。揺れ動く感情のランドスケープというべき映像は、まさにヴェンダースが挑戦した新しい映像世界だ。
J・フランコ、C・ゲンズブール、R・マクアダムスら
豪華実力派キャスト。
出演は、映画監督・作家としても活動するジェームズ・フランコ、自然体な中にミステリアスな魅力をかもしだすシャルロット・ゲンズブール、今もっとも注目される女優でナチュラルな輝きを放つレイチェル・マクアダムス、落ち着いた知性の内に秘めた葛藤を表現するマリ=ジョゼ・クローズと豪華な実力派が揃った。また編集者ジョージにはシェークスピア劇からハリウッド大作まで幅広く活躍するピーター・ストーメア、トマスの父にヴェンダース監督の1981年作『ことの次第』に主演したパトリック・ボーショー、ドラマの鍵になる少年クリストファーを子役時代から活躍し、カナダ・アカデミー賞主演男優賞にもノミネート経験がある若手ロバート・ネイラーが演じている。
心の深い奥を語る3Dというヴェンダースのチャレンジ。
今作は3D映画として撮影され、日本での上映には2Dと3Dがある。『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』で驚くべき3D映像を生み出したヴェンダースが、その撮影時のもっとも大きな発見だったと語るポートレート撮影の経験をさらに発展させ、新たな3Dに挑戦している。「『誰のせいでもない』では多くのことがキャラクターの内部で起こり、まさにこの心の深い奥こそ3Dで語るに相応しい」とヴェンダースは語っている。撮影は、ギャスパー・ノエ監督作や『スプリング・ブレイカーズ』といったエッジの効いた映像に定評あるブノワ・デビエ、音楽は現代最高峰の映画音楽作曲家のひとりであるアレクサンドル・デスプラが担当した。
■ STORY
冬の夕暮れ。田舎道を走る一台の車。雪が降り、視界は悪い。
突然、丘からソリが滑り落ちて来る。車はブレーキをきしませて止まる。静寂。
そこには車の前で虚ろに座り込んでいる幼い少年がいた。幸い怪我もないようだ。
ほっとしたトマスは彼を家まで送る。
しかし、母ケイトは息子の姿を見て半狂乱になる……。
運転していたのは、作家のトマス。この悲劇的な事故は、彼の過失によるものではない。
弟にあと少しの注意を払うべきだった小さなクリストファーの責任でも、
そしてまた、もっと早く家に帰るように息子たちに言えたはずのケイトの責任でもない。
事故はトマスの心に大きな傷を残し、そのせいで恋人さらとの関係は壊れてしまう。
トマスにできることは、ただ書き続けることだけ。
しかし、他人の悲しみをも含んだ自らの経験を書く権利が、彼にあるのだろうか?
ようやく書き上げた小説は、トマスに新しい扉を開かせることになった。
月日が流れ、やがてトマスは作家として成功を収め、編集者のアンとその女ミナと新しい生活を始めようとしていた。一方、ケイトやサラもまた、それぞれの人生をゆっくりと歩み始め、すべてはうまく行き始めたように見えていた。そんな中、11年前に5歳だったクリストファーから、トマスのもとへ一通の手紙が届く…。
▶ 映画館環境
ヒューマントラストシネマ渋谷シアター2は座席数173、スクリーンサイズはビスタサイズ 5.9×3.2m /シネスコ 5.9×2.5m と比較的小規模な劇場。
M列は後ろからの3列目、M−11席は右端の席、スクリーン向かってやや右寄り。
前に行けば行くほど見上げになる、あまり前過ぎない方がいい。
▶ 作品レビュー
自分にはヴェンダースの絵が合っているかもしれない。
突発的な出来事が発端となって物語は始まるけれど、内容はいたってシンプルであり、世の中の一部を切り取ったようなストーリー、だから悪く言えばつまらないのかもしれないけれど、人生なんて何とかなるでしょう、といった楽天的な内容だったと認識した。それを受け入れるかどうか人それぞれ、自分としては映像が非常にしっくりとくるものばかりだったので、それなりのストーリーさえあればこの作品は楽しめたなという印象。
音楽の使い方というか響きも非常に効果的だったように思う。
それほど難解ではなくむしろわかりやすいと思ったし、絵と音楽がシンプルに結びついて、感情が容易に見て取れるように思った。
シャルロット・ゲンズブールも良かったなー、彼女を捉える絵がことごとく素晴らしくて、陳腐な表現になってしまうが、これこそまさにフォトジェニックと思ってしまった。さすがはヴィム・ヴェンダース、と個人的には思った。
絵と色味と空間と音、こだわりの極みを見た。しかしながら、油断すると意識は飛んでしまうこと必至。
ヴェンダースの空間表現を追求した3D映像というものを感じとることができれば、なかなか味わい深い作品だと思うのだけれど──ここまでしっかりとした絵づくりでの3D映像というものは堪能出来ないと思うし、それ故に貴重だし、この路線をもっと追求して究極の映像を残してほしいと勝手に思っているところである。
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